モトクロスやハードエンデューロなど、過酷な環境下を走るマシンにメンテナンスは欠かせません。愛車を長く乗るためにも、メンテナンス時期を正確に把握できるアワーメーターでのマシン管理をおすすめします!
公道を走る車やバイクは走行距離メーターがついているためそれを目安にメンテナンス時期を把握できますが、オフロードバイク、特にレーサー車両は走行距離や走行時間を表示するメーターがついていません。ではどうやってメンテナンス時期を把握すれば良いのか…… そこで登場するのが「アワーメーター」なのです。
そもそも、アワーメーターとは?
UNIT
¥5,060(税込)
アワーメーターとは、エンジンの振動を感知し、マシンの稼働時間を計測・記録してくれるツール。「アワー(hour)」と名前がついているように、1時間ごとに走行時間を記録できます。
アワーメーターをつけるメリット
アワーメーターを使うメリットは大きく分けて3つ。
1つ目は、メンテナンス時期の目安になるということ。取扱説明書やサービスマニュアルには「何時間毎に交換」と、点検や部品交換の目安として走行時間が記載されています。アワーメーターをつけることでマシンの稼働時間を把握できるので、正確なメンテナンスをすることが可能。
2つ目は、整備時にマシンの状態を簡単に把握できること。バイク屋さんなど、他の人に整備を頼む時に状況を伝えやすくなります。
3つ目は、中古で売りやすくなること。走行時間をひとつの目安として提示することで、どのようなバイクなのか、どれくらい走行しているかがわかりやすく、マシンを売りに出す時に売れやすくなるというのもメリットでしょう。
使い方は、簡単!
取り付け方法は本体についている両面テープでマシンに貼り付けるだけ! 簡単に取り付けることができます。
装着位置はハンドル周りのフレームがおすすめ。目に入りやすい位置にあるため、バイクを降りた時や洗車時などに数値を確認することができます。ハンドル周りに取り付ける場合、ハンドルを動かした時に当たらないよう取り付け位置に気をつけましょう。
また、装着時に油分がついていると剥がれやすくなってしまうため、装着前に接着面をパーツクリーナーで拭くことがポイント。装着部分に塗装の凸凹が目立つ場合は、分厚い両面テープを型取って貼り付け、接着面を平らにすると剥がれにくくなりますよ。
UNITのアワメーターには合計稼働時間計測モード/一時稼働時間計測モード/感度設定モードの3種類があり、合計走行時間と一回ごとの走行時間を確認することができます。感度設定モードではエンジンの振動を読み取る感度を設定。LowとHighの2つの感度を選ぶことができます。
合計稼働時間計測モード
Sボタン押す→「tot」
一時稼働時間計測モード
Sボタン押す→「tot」→Sボタン押す→「PAr」
感度設定モード
Sボタン押す→「tot」→Sボタン押す→「PAr」→Sボタン押す→「PAr」感度設定表示「HI」「LO」押すごとに切り替え
リセット(一時稼働時間)モード
Sボタン5秒間長押し→「-----」
アワーメーターを使ったマシンの管理方法
マシンの取扱説明書またはサービスマニュアルを見てみると、点検や交換の目安時間が記載されています。目安時間をもとに点検/交換することでマシンを常に健康な状態に保つことが可能です。今回はBETA RR2T200(2020年モデル)を例に管理方法をご紹介。なお、エンデューロマシンのBETA RR2T200のメンテナンス目安時間は30時間毎。一方、モトクロッサーであるYZ125のメンテナンス目安時間は2.5時間毎。マシンによってメンテナンス時期は大きく異なるため、ご自身のマシンの説明書を確認してみてください。
目安
BETA RR2T200:30時間毎/YZ125:2.5時間毎
エアフィルター清掃
砂埃や泥の中を走るモトクロスだからこそ、エアフィルターの点検/整備はこまめに行うことが重要。アワーメーターをつけると走行時間を目安にすることができるので、エアフィルターの汚れを見るためにわざわざシートを取り外す手間がありません。もちろん走行状況によって目安時間は変わってきますが、使用する中で目安をおさえておくことで、乗りすぎによる故障を防ぐこともできます。
チェーン清掃/点検
チェーンは使用するにつれて摩耗し、操作性や乗り心地、燃費の悪さにつながるなどマシンへの影響が大きいパーツです。走行時間をもとに、定期的に点検を行うことで急な故障も防ぐことができます。
各所点検・清掃
目視で点検を行うことは大切です。エンジン/ピストン/マフラーはモトクロッサーでは2.5 時間毎にチェックを行う部分。カーボンが堆積していないかなど、定期的に点検/清掃することでマシンへのダメージの蓄積を防ぎます。なお、BETA RR2T200は40時間毎にピストンを交換。エンジンフレームの点検等は30時間毎が目安となります。
グリス塗布
ステム/ステアリング/スイングアーム/ピボットなど、グリスを充填することでパーツの劣化を防ぎます。グリスアップは整備時には毎回行うようにしましょう。アワーメーターを通してメンテナンス時期への意識を高めることで、塗り忘れも防ぐことができるかも。
各部締め付け
荒れた路面を走るオフロードバイクは走行時の振動や衝撃によってネジが緩みやすい環境にあります。「あれ、ここのネジがない!」を防ぐために、各部分の確認を行いましょう。緩んでいる場合は、増し締めまたは締め直しを。
目安
BETA RR2T200:30時間毎/YZ125:7.5時間毎
エンジンオイル交換
エンジンオイルは劣化によって性能の質が落ちてしまうため、こまめな点検が必要です。マシンにはエンジンオイルの状態を確認できる窓がついていますが、実際は見えにくくあまり参考にならないことも多いです。目視や操作性に頼るよりも、アワーメーターで管理した方が正確に把握できます。
目安
BETA RR2T200:30時間毎/YZ125:12.5時間毎
フロントフォークオイル交換
荒れた路面からの衝撃を吸収するサスペンション。そのスプリングの滑らかな動きに貢献しているのがフロントフォークオイルです。オイル量が減ったり、粘度が低下すると路面から伝わる衝撃が大きくなり疲れやすくなるなど、ライディングへの影響も甚大です。12.5時間毎と間隔が開く整備のため、アワーメーターに頼ることで時間管理の手間が省けます。
オーバーホール
オーバーホールとは、エンジンを分解し、清掃/交換することで新品時のレベルに戻すことです。エンジンは他の部品と同様、乗り続けていると消耗していくもの。定期的にオーバーホールをすることでマシンをリフレッシュし、長く乗り続けることができます。また、〜時間走ったらオーバーホールの時期だと目安がわかりやすいため、バイク屋さんに持っていくタイミングも掴みやすくなります。なお、オーバーホールは高い技術が必要になるため、費用も高め。そろそろかなと感覚でバイク屋さんに持っていったけどまだオーバーホールの時期じゃなかった、なんてことも防げます。
なお、ダートバイクプラスではピットサービスも実施しています。エアフィルター交換/オイル交換/チェーン交換はピットサービスにお任せすることが可能。
ダートバイクプラス瀬戸店
このように、目安時間をもとにマシン管理したり、走行時間で練習量が測れるなど、その魅力はたくさんあります。ぜひ、アワーメーターを使って愛車を管理してみてください。