オフロードコース

ニッポン全国ファンライドを楽しめちゃうコース vol.3 埼玉県オフロードヴィレッジ

関東で本格的にモトクロスをやるなら、やっぱり埼玉県にあるオフロードヴィレッジを外すことはできません。前回ご紹介したモトクロスヴィレッジと同じウエストポイントを経営元とするコースです。全日本モトクロスの関東大会は、70年代には所沢、そして80〜90年代はHARP桶川、そして現在はこの川越オフロードヴィレッジが使われています。コースオーナーは元全日本モトクロス選手権チャンピオンの福本敏夫氏。

そう聞くと敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、そんなことは全くありません。このオフロードヴィレッジの中にはいくつかのコースが内包されていて、ライダーのレベルや目的によって使い分けられているのです。

オフロードヴィレッジ
埼玉県川越市中老袋295-5
http://www.westpoint.co.jp/offroadvillage/index.html

全日本レベルのモトクロスが楽しめるBコース

まずは一番大きいコース(下の写真で土色の濃い部分)がBコース。ここがオフロードヴィレッジの本コースとなっており、全日本モトクロスが開催される時に使われるコースです。

難易度:★★★★☆

全日本モトクロス選手権の時はコース改修が入り、ジャンプの飛び出しが鋭くなったりするため特に難易度が上がりますが、普段はそこまでではありません。

とはいえ、見ての通り大きいジャンプ台がたくさんあり、距離も長く、スピードの乗る長いストレートもあります。週末には毎週のように大勢のライダーが詰めかけ、たいへん賑わいます。そんなわけで土日祝には、事故が起きないように「初級」「中級」「上級」で時間帯によるクラス分けをしてくれています。基準としては50cc〜65ccのキッズ、トレールバイクの自走ライダー、レースに出たことのないモトクロスライダー、サンデーエンデューロライダーは初級。トッププロを目指す85ccジュニアや全日本レディス、エンデューロのIA/IBライダー、モトクロスのNBクラス上位〜NAクラスになると中級。モトクロスのIB/IAクラスが上級というイメージで良いと思います。もし自分がどのクラスで走ればいいのかわからない、という人がいたら受付時にスタッフさんに確認しておきましょう。

平日は基本的にクラス分けは行われませんが、台数が多い時や上級者が多い時などは柔軟に対応してくれます。取材した日は平日の水曜日で、朝は小雨が降っていたこともあり、午前中にこのBコースを走っていたのは3台程度しかいませんでした。

スタートゲートがズラリ。しばらくレースが開催されていないため、草が生えていましたが、レース前には綺麗に刈られます。

スタートから1コーナーを臨む景色。先日大規模なレイアウト変更が行われ、1コーナーが右コーナーに変更されました。

レイアウト変更されてからまだレースが行われていないため、あくまで参考タイムになりますが、IAクラスのトップライダーで1周にかかる時間は約1分20秒。エンデューロ万年NBの僕(オフロードバイク歴12年・伊井)で2分くらいです。モトクロスコースの中には山を切り拓いて作られたところもありますが、オフロードヴィレッジは河川敷に作られているため、高低差はあまりありません。それでもコース幅を広く取り、大きいジャンプをたくさん取り入れてダイナミックなコースに仕上がっています。

Bコース以外は初心者にもってこい!

そんなわけでBコースはやはり難易度が高く、プロを目指すような上手なライダーがたくさん走っているのですが、実はそのほかのコースはほとんどが初心者向けなのです。

まずこちらがAコース。ジャンプは小さいものが2つくらい設置されていますが、飛ばなくても全く問題ありませんし、スピードが出るような長いストレートもありません。トコトコとゆっくり流していても他のライダーから怒られないし、勢いよく抜かれるような心配も比較的少ないでしょう。さらに真ん中のオーバルはダートトラックコースになっています。

パドックとAコースの間の道は実は公道。車の通り道になっているため、バイクを降りて、押して横断するようにしましょう。

そしてこちらは超初心者向けのCコース。Aコースよりもさらに入門コースです。実は僕のオフロードコースデビューはこのCコースなんです。10年以上前、まだトランポもレーサーも持っていなかった僕は、ある日急に思い立って一人でオフロードヴィレッジへ。KLX250で一日中この小さいCコースをぐるぐる回っていました。今見ると本当にちっぽけなコースですが、当時はものすごく楽しくて、夢中で走っていたのをよく覚えています。

2年ほど前でしょうか? Bコースの奥の田んぼが開拓されてコースに加わりました。ここがEコースとなります。フラットなオーバル状のコースのため、基礎練習に最適ですね。

そしてこちらがDコース、TTコース、ごっこ広場。凹凸のほとんどない、フラットな広場です。一応、3種類の名前がついていますが、普段は特に仕切られていません。

ごっこ広場というのはオフロードヴィレッジで開催されているモトクロス体験スクール「モトクロスごっこ」で使われていることからついた名前。この「モトクロスごっこ」は、マシンや装備を全部レンタルできて、お手軽に土の上を走る体験ができちゃうオフロード一日体験スクール。元全日本チャンピオンである福本社長自らが教えてくれることや、都心からのアクセスの良さなどもあって大人気企画となっており、毎月10回以上開催されています。

こちらはちょっと初心者向けとは言い難い、近年誕生したトライアルセクションです。ここではトライアルの関東戦も開催されています。また、真夏に開催される12時間耐久レースや大晦日の「年忘れエンデューロ」などではちょっとした難所としてコースの一部に使われています。

初心者の方はこれらのコースを走りつつ、休憩中はBコースを走る上級者の走りを見学することができます。そして「いつかは自分もBコースであんな風にジャンプしてみたい!」と具体的な目標を持って練習することができるのです。

近隣には老舗モトクロスショップや温泉も

さて、オフロードヴィレッジは川越市にあるため、近くのお店や施設も充実しています。YAMAHA系名門モトクロスチーム「レーシングチーム鷹」がすぐ近くにあり、HONDA系だとT.E.スポーツも近いため、プロを目指す若手ライダーやトッププロが練習に来ていることも。特に新井宏彰選手、小方誠選手、星野優位選手、川井麻央選手、小野彩葉選手などはよく練習やスクールに来ています。

モトショップ鷹
埼玉県川越市大字小仙波693-2
https://taka-is-fast.com/

個人的な趣味ですが、食事のオススメはこちらのスープカレー屋さんplus one。スープカレーの本場・札幌出身のオーナーさんで、札幌で食べるものと比べても劣らない美味しさです。ただし、土日祝の営業は11:00〜スープなくなり次第終了なので、16時までオフロードヴィレッジで走行してしまうと食べるのは困難かも知れません。平日は夜営業もありますよ。

plus one
埼玉県川越市石田69-3
http://soupcurryplusone.hungry.jp/

 

そして車で10分くらいのところに、2021年にオープンしたばかりの温泉施設がこちら。「小江戸温泉KASHIBA」です。駐車場が広く、サウナや岩盤浴も備えた天然温泉で、モトクロス帰りに最適ですよ。

小江戸温泉KASHIBA
埼玉県川越市松郷1313-1
https://kashiba-onsen.jp/

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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