全日本モトクロス選手権2024シーズンの開幕に向けて、今季のダートフリークサポートライダーにインタビュー。ライダーの魅力を深堀りしていきます
2024年3月30日〜31日、昨年11月からのオフシーズンを終えて、全日本モトクロス選手権2024シーズンが開幕します。新シーズンは、ライダーの引退や移籍、ステップアップなど変化が多く見られるタイミングですが、実際のところ、どのライダーがどんなチームに所属しているのか、わからないという方も多いでしょう。
ということで、ライドハック編集部が今季注目のダートフリークサポートライダーにインタビュー。ライダーを知ることで、レース観戦がさらに楽しくなるはず。
今回お話を伺ったのは、全日本モトクロス選手権の最高峰、IA1クラスに参戦している大城魁之輔選手です。2023年はランキング5位。今季より「bLUcRU YSP浜松 with BABANASHOX」に移籍し、マシンもホンダからヤマハに乗り換えるという、一新した環境で2024シーズンに挑みます。さらに、チーム移籍に伴い、ウエアも刷新。ダートフリークのオリジナルブランド、DFGのモトクロスウエアを着用します。
IAに昇格してから8年目
ライドハック編集部伊澤(以下:編):大城選手、よろしくお願いします!
大城魁之輔(以下:大城):よろしくお願いします!
編:全日本モトクロスでのことを伺う前に……まずはご本人のことを聞いていきますね。モトクロスは何歳から始めたのですか?
大城:3歳から始めました。
編:始めたきっかけは何ですか?
大城:両親が元々モータースポーツに興味があって、4輪やオンロードのバイクレースに出ていたりしたそうです。それで自然と僕もモータースポーツを始めていたのですが、オンロードではなくモトクロスでしたね(笑)。モトクロスの方が始めやすかったんだと思います。
編:なるほど。家庭環境としてモータースポーツが身近にあったんですね。全日本モトクロス選手権に出始めたのはいつごろですか?
大城:モトクロスを始めてから、キッズレースや地方選手権を経て、2016年にIBクラスに参戦し始めました。
編:実は私、大城選手と同じ世代で、同じ時期に全日本モトクロス選手権のレディースクラスに挑戦してました(笑)。なので会場で大城選手の走りを見ていたのですが、上位にいて着実にポイントを重ねていく強さと存在感を感じていました。
大城:ありがとうございます。でも当時は周りが速くて、試行錯誤してました……。
IBクラスは当時ランキング2位で終えたので、1年でIAクラスに昇格できました。なので、2017年にIAになって……今年でIAクラス8年目ですね! 早い! IA2(250ccクラス)、そしてIA1(450ccクラス)とクラスもマシンもステップアップして現在に至ります。
チームもマシンも新たに挑む
編:今年8年目ということですが、チームを移籍して環境も新しくなってと、かなり大きな変化ですね。
大城:そうですね。ただ、チーム監督の馬場亮太(編集部注釈:2023全日本エンデューロIAクラスチャンピオン。彼もDFGウエアを着用するダートフリークライダー)とは元々繋がりがあって、2023年からライディングコーチをお願いしていました。なので、新しいチームになったのですが、すでに馴染みのある人が監督なので、そこまでアウェイ感は感じませんでした。
編:繋がりがあったんですね。何をきっかけにコーチを頼んだのですか?
大城:亮太くんは同年代で、それこそキッズレースとかIAクラスで一緒に競い合ってました。彼のライディングは教科書のような、綺麗な走り方で、かっこいいし速いんですよね。彼は怪我で全日本モトクロスでのレース活動を終えたのですが、ライディングコーチをしていると聞いて、教えてほしいなと思っていました。そして2023年に亮太くんの手が空くということで、担当をお願いしました。
編:大城選手から声をかけられた感じだったんですね。
大城:そうですね。一緒にレースを走っていたと言っても、お互いに認識しているくらいの距離感でした。そんな中、偶然知人のつながりでコース以外で会う機会があって、そこで僕から声をかけて、一緒にバイク乗りに行ったり、仲良くなっていきました。今思うとめっちゃ積極的に絡みに行ってました(笑)。
編:想いが実りましたね!
大城:実りました! 実際にライディングを練習からレース会場にもついてきて見てもらって、去年の目標だった「スピードアップ」という点は達成できました。ただ、それに伴って「安定感」が欠けてしまったので、それが今の課題です。
編:チームに入るということは、馬場亮太さんはコーチではなく監督という立場になると思うのですが、その変化についてはどう思いますか?
大城:立場は変わりますが、ライディングを継続して見てもらったり、アドバイスをもらっています。ライディングを亮太くんに見てもらえるというのは僕にとって大きなメリットで、チームに入って良かったと思える点の一つです。
編:大城選手はこれまでずっとホンダに乗られていて、マシンをヤマハに乗り換えるという点も大きなシフトかと思います。もう乗り込みは始まっているのでしょうか?
大城:1月後半くらいにマシンが届いて乗り始めました。最初に乗ったフィーリングは悪くなかったですね。とはいえ前のマシンとは特性が違うので、開幕に向けてさらに煮詰めているところです。
2024年はDFGウエアを着用
編:ダートフリークとしては、DFGウエアを着用されるというのもビッグニュースです。そもそも、DFGに対してどんな印象を持っていましたか?
大城:ダートフリークから新しいモトクロスウエア出てきたな! と注目していました。僕はサポートの関係上発売当初に着る機会はありませんでしたが、同じ中部地方住みで仲の良い道脇白龍(DFGモトクロスウエアの開発ライダー。IA1クラスに参戦している)がDFGウエアを着ている姿を見ていたので、なんというか、すでに親近感を感じてました(笑)。今年から着られるということで、とても嬉しいです。
編:DFGのモトクロスウエアは、一般発売されているエントリーモデル「DFG ソリッドジャージ」と、馬場大輝・亮太兄弟が来ているレース仕様の2つの種類がありますが、大城選手はどちらを着用するのですか?
大城:馬場兄弟と同じレース仕様のウエアを着用する予定です。レースモデルは生地が薄くてフィット感が高く、動きやすさと通気性に優れたモデルだと聞いていますが、今はまだ手元になくて、ソリッドジャージを着用して練習しています。
編:ソリッドジャージを着用してみていかがでしたか?
大城:生地に厚みがあり、しっかりしているなという印象です。価格も初心者が手に取りやすいですよね。レースモデルはどんな着心地なのかなと、期待が高まっています。
編:新たなウエアでのレース、楽しみですね。
大城:着心地もですが、個人的にゼッケンやロゴのプリントも楽しみにしています。というのも、今までゼッケンやロゴは布に用紙をくっつけるアイロンプリントという方法でいただいていたのですが、ダートフリークではジャージに転写する昇華プリントという方法でゼッケンをしてくれるそうで、この方法は初めてなので楽しみです。
編:昇華プリントはサポートライダーの特別仕様なんですよね! 羨ましいです。その違いは着心地などに関わってくるのですか?
大城:そうですね、アイロンプリントは布に用紙を付けるためプリント部分の通気性が落ちてしまうのですが、昇華プリントは転写なので、通気性もそこまで落ちないのかなと思っています。着てみるのが楽しみです。
また、僕自身モトクロスウエアで全身コーディネートするのが好きで、ウエアの色に合わせてヘルメット・ゴーグル・グローブ・ブーツを選んでいます。DFGウエアの色に合わせたり、あえて外してみたり、こだわっているので、走りはもちろんコーディネートにもぜひ注目してみてください!
今シーズンの意気込み
編:2023年はIA1クラスにジェイ・ウィルソン選手が上がってきて、23ヒート中22勝。そして、今年はオーストラリアのモトクロス選手権で経験を積んできた横山遥希がIA1クラスに参戦するということで、ライバルがさらに増えますね。
大城:横山選手は2019/2020年IA2クラスチャンピオンで、当時僕も一緒に走っていたのですが、2020年は横山選手に届かずランキング2位で終えて、すごく悔しい思いをしました。なので今年こそは、前回と同じにはならないようにしたいと思っています。とはいえ、やることは変わらず、実力を上げるために自分の課題をクリアしていくということですね。メカニックもチームもマシンもウエアも、全て一新するので、前向きな一年になるようこれまで以上に努力していきます。
また、実はIB時代など昔からFOXやAlpinestarsなどダートフリークの製品を着用していたので、ここでDFGを着る機会をいただけたのは、原点回帰と言いますか、ご縁を感じてます。サポートいただいている分、結果を残して、貢献したいと思います。
まあ、一言で言うと「勝ちたい」です。「まじで大城嫌だわ〜」とライバルたちにプレッシャーを与える走りをしたいですし、ファクトリー勢を止めて僕が優勝したいです。全力で行きます!
編:応援しています! ありがとうございました!