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2024シーズン44キッズクロス注目ライダー

全日本モトクロス選手権現役IAライダー小島庸平が手がけるキッズレース「44キッズクロス」。3年目となる2024シーズンの注目ライダーを紹介します

44キッズクロスとは、全日本モトクロス選手権現役IAライダーの小島庸平と株式会社ダートフリークが手を組み2022年に始動したキッズレース。世界に羽ばたくキッズライダーの育成を目指したこのレースは、50ccをはじめ、65cc、85ccと150cc、さらに電動キッズバイクのクラスがあり、各クラス初級向けの「ファースト」と上級向けの「スーパー」の2つのクラス分けが設定されています。各ライダーは自身のスキルに合わせてエントリー可能。初心者からトップを目指すライダーまで自分に合ったクラスで実力を高めることができます。

レースは中部地方を中心に開催されており、中部出身のキッズライダーが多く集まっています。関東、中部、近畿など全国各地のエリアでモトクロスが行われていますが、中でも中部地方は鈴鹿を中心にモータースポーツの認知度が高く、モトクロスのコースも多くあるエリア。そんな中部地方を中心に開催される44キッズクロスには、中部モトクロス選手権チャイルドクロス50AクラスとBクラス、キッズ65クラスの年間ランキングトップ3を占めるライダーたちが集まっていて、そのレベルの高さがわかります。とはいえ会場の雰囲気はアットホーム。レースで競い合い、レース以外では一緒に遊んだり、お互いの走りを見たり、各々が楽しんでいる様子が印象的です。

なお、2023年全日本モトクロス選手権近畿大会のチャイルドクロスでは、出走台数が多い中、44キッズクロスに出場するライダーたちが表彰台を独占。中部ライダーのレベルアップが結果として見えてきています。

3年目を迎える2024年は、レースの体制がさらにレベルアップ。これまで開催してきたスラムパーク瀬戸やMXフィールドトヨタ、いなべ、生駒、鈴鹿ツインサーキットに加え、今年は全日本モトクロス選手権の開催地の一つ、名阪スポーツランドが追加されています。これについて、44キッズクロスを手がける小島は「去年は上級クラスを3ヒート制にしたりと、レース全体として年々レベルを上げています。今回は全日本で使用するコースで開催することが実現できました。みんなのレベルや経験値を高めるために必要なことですし、この経験を通してさらに実力を高めていってほしいです」と語り、日本、そして世界を目指すための環境を整えています。

また、今シーズンはマイカルチャンプがアンバサダーに。さらに、2024年より、年間チャンピオンを獲得したキッズライダーには1年間のサポートサービスを行う予定とのことで、体制も進化しています。

ライドハック的注目ライダー

44キッズクロスを1年目から追いかけてきたライドハック編集部は、各ライダーの実力や成長を目の前で見てきました。どんなライダーがいるのか、3年目となる今年は誰がトップ争いを展開するのか、今季の注目ライダーをご紹介!

MOTO-Eクラスの絶対的王者、丹羽群青(2023年MOTO-Eクラス年間チャンピオン)

44キッズクロスには、電動キッズバイクで競い合う「MOTO-E」クラスがあり、ダートフリークが手がける電動キッズバイク、ヨツバモト Meow/WOOFとKTMやTORROTといった外国産車で競います。10人以上のライダーで競う中、MOTO-Eといえば、ヨツバモトといえば、丹羽群青の存在が大きいでしょう。

丹羽はヨツバモトMeowが発売された2017年からMeowに乗り始め、現在はWOOFに乗っている生粋のヨツバモトライダー。MOTO-Eクラスでは2年連続でチャンピオンを獲得し、ヨツバモトライダーの中でも圧倒的強さを示しています。

特に、丹羽はアクセルワークやボディアクションを上手に使ったスムーズなライディングが特徴で、スピードを乗せるテクニックは小島氏も絶賛するほど。最近ではヨツバモトで身につけたテクニックを生かして、110ccマシンなどエンジンバイクも器用に乗りこなしています。

2024年に目指すのは3度目の年間チャンピオン。しかしライバルたちの成長も著しく、2023年は、スタートダッシュの反応が抜群の広野廉輝が一時トップを走る場面も見られました。2024年はトップ争いがさらに激化するのか、丹羽が逃げ切るのか、注目が集まります。

3クラスで上位を占める、齋藤3兄弟

44キッズクロスには兄弟で出場しているライダーが多くいます。その中でも、兄弟揃って速さを見せつけているのが、齋藤輪(わく)・極(きわ)・稀(まれ)の3兄弟です。

末っ子の齋藤稀は2023 スーパー50クラスで年間チャンピオンを獲得したライダー。2023年の最終戦では年間ランキングトップ3のポイントが数ポイントという僅差の中、ヒート1では転倒で11位から4位まで追い上げ、ヒート2ではトップを独走。50ccというパワーが少ないマシンをうまく操り、いつどんな状況でもスピードを落とさずトップを狙っていく攻めの姿勢が走りに現れています。

次男の齋藤極は、スーパー65クラスに出場。2022年は同クラスに共に参戦した兄の齋藤輪の存在が大きくランキング2位。2023年はライバルとなる巽太壱と小磯銀士とともにトップ争いを展開。最初の2戦を欠場していたことから年間チャンピオンにはなれなかったものの、2023年の最終戦では全ヒート優勝するなど確実に速さと存在感を示しています。転倒のない、安定したライディングは2024年さらにパワーアップしてくるでしょう。

長男の齋藤輪は、2022年にスーパー65クラスで年間チャンピオンを獲得。2023年は85/150クラスにエントリーし、水野零埜と激しいトップ争いを展開しました。マシンサイズが大きくなるにつれてスピード域が上がり、バトルの内容もレベルもぐんと上がります。しかし、2022年からステップアップしたにもかかわらず、常に表彰台に上る強さを発揮。年齢的に水野は44キッズクロスを卒業となるため、2024年は齋藤輪にチャンピオンを狙うチャンスがあると言えるでしょう。

中部名物?! 松本兄弟

今回の第2戦(実質的開幕戦)には、松本剛(ごう)・剣(けん)兄弟もエントリー。前述の齋藤輪・極兄弟よりもそれぞれ1つ年下ながらコース上では強力なライバル。2023シーズンでは44キッズクロスには年末の感謝祭のみのスポット参戦でしたが、兄の剛は2023年の中部選手権65ccクラスの年間チャンピオン。弟の剣はCX50Aクラスの年間ランキング2位の実力者。

兄の剛。写真は感謝祭時のもので、50ccの車両を駆って110㏄クラスを戦い、上位に食い込みました。今回は85/150クラスにYZ85でエントリー。速さだけではなく、スタイリッシュなライディングスタイルにファンも多い注目のキッズライダー。

弟の剣。やはり速さに定評がありながら、兄とはまったく違った個性の持ち主。スーパー65クラスを掻き回してくれること必至のライダー。

丹羽(左)、松本剛(真ん中)、齋藤輪(右)の3ショット。

成長著しい、ファースト50クラスの2人

50ccマシンの初級クラスとなる、ファースト50で注目なのは中川奈緒。2022年最終戦より参戦し、2023年はフル参戦。第1戦では上位に入らなかったものの、第3戦からは全ヒート表彰台に乗る結果を残し、著しい成長を見せています。周りからのプレッシャーにも動じず、表彰台を逃さない安定感のある走りに注目です。

また、加えて注目したいのが中川 知哉です。というのも、44キッズクロスが初レースという初心者。初めはコースを1周することができませんでしたが、レースを重ねる中でモトクロスの怖さを乗り越え、今では最後まで完走できるほどたくましい走りを見せています。さらなる飛躍に期待が高まります。

着実な成長でステップアップ、森陽平

森は2023年にスーパー50クラスに出場。初めは表彰台に上がることができなかったものの、第3戦で3位、第4戦では2位を獲得し、着実にレベルアップし続けています。さらに、2023年第3戦から導入された、スペインのバイクメーカーTRROTのキッズ用電動バイク「MOTOCROSS TWO」の貸出サービスを使用し、スーパーMOTO-Eクラスにダブルエントリー。電動バイクを乗りこなすライディングテクニックで、2位を獲得するなど、レースを重ねるごとに成長を見せています。2024年には、TRROTの貸出サービスでMOTO-Eクラスに出場。さらに、マシンを65ccに乗り換えてファースト65クラスにエントリー。新たなマシンで挑む森の走りに注目です。

なお、第1戦は雨で中止となったため、初戦は3月3日(日)に三重県鈴鹿市にある鈴鹿ツインサーキットで行われます。今シーズンは全5戦を予定。可能性溢れるライダーたちに、ぜひ注目していてください。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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