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怪童、大津崇博あらわる! 新たにDFGライダーとなった「タカ」って何者?

大津崇博(おおつたかひろ)というライダーをご存知でしょうか?

この度、新たにダートバイクプラスのサポートライダーに仲間入りし、DFGのソリッドライディングウエアを着用してくれることになった若手ライダーを紹介します。

大津崇博は愛知県出身の22歳。愛称は「タカ」、チームは「おれがたらお」。

GASGAS EC300に乗って全日本ハードエンデューロ選手権G-NETに参戦する若手ライダーです。2023年7月にはDFGウエアを纏ってEC250Fに乗り、JNCC鈴蘭に出場しました。「おれがたらお」というチーム名は彼の個性的なヘアスタイルが某国民的アニメのキャラクターに似ていることに由来しています。なお、このヘアスタイルは成人式の記念にブレイズヘアにした後、お姉さんに散髪してもらったら失敗。「マイク・タイソンみたいにしたらいいじゃないか」という父親の一言から始まり、そのまま定着したとのこと。

大津が頭角を現したのは2022年3月のこと。CGCハードエンデューロ選手権の開幕戦、CGC大和奈良HARD ENDUROにおいてゲロゲロクラス6位に入賞しました。6位とはいえ、上位にいたのは藤原慎也、原田皓太、鈴木健二、山田礼人、森耕輔というハードエンデューロのトップライダーばかり。それまで目立った成績のなかった大津が、一気に注目を浴びる存在になりました。

その後も2022年にはCGCに全戦出場し、ゲロゲロクラスの年間チャンピオンに輝き、2023年はG-NETに本格参戦。開幕戦のCROSS MISSIONケゴンベルグで6位、日野ハードエンデューロで2位、CGC大町で4位、日高ロックスで6位と安定して好成績を残し、2023年8月現在ランキング2位につけています。

とはいえ2022年のG-NETはフル参戦ではなくランキング14位で、いわゆる黒ゼッケン(昨年のランキング9位以内に与えられる固定ゼッケン)ライダーではありません。全日本のモトクロス選手権、トライアル選手権、エンデューロ選手権などには一切出ておらず、MFJライセンスはなし。JNCCも10年以上ぶりの参戦となり、少々厳しいことを言ってしまうと「まだ何者でもない」のです。

そんな大津ですが、DFGのウエアサポートの他にもiRCタイヤのサポートも受けており、今回のJNCCスポット参戦も異例のCOMP-Aクラスに抜擢。着実に業界内の注目を集めて始めています。

若者らしいアグレッシブなライディングが魅力!

前述の通り、大津はいわゆる草ライダーで、モトクロスもエンデューロも本格的なレース活動はしてきませんでした。誰かにライディングを教わることもなく、独学で上達してきたと言います。

それでもこの美しく理にかなったライディングフォームを見て下さい。

G-NET2023の第3戦、日高ロックスでは砂利道を使ったスピード勝負の予選で、あの和泉拓を破り優勝しています。実は小学生時代にJNCCのKIDS&TRYに出場していたという過去もあり、G-NETライダーながらスピードレースにも高い適性を持っています。

鈴蘭では難しいヒルクライム「ショータイム」を毎周しっかり突破し、ロックセクション「オロチ」もミスなく上位で通過。

G-NETでは渋滞している難所でもオリジナルのラインを見つけ、臆さずにアタックしてしっかり成功させる度胸とスキルを持ち合わせていることが確認されています。

鈴木健二の推薦もあってCOMP-Aクラスに出場した大津でしたが、結果は惜しくもクラス2位。総合14位というリザルトでした。いや、惜しいも何も、大健闘です。約10年ぶりのJNCCで、マシンも初めて乗る借り物のEC250F。それでこの順位は、はっきり言って期待以上でした。

天真爛漫な愛されキャラクターが魅力!

大津の魅力はそのスピードとテクニックだけでなく、そのキャラクターもあります。その天真爛漫なキャラクターから多くの先輩ライダーから愛されており、DAICEやロッシ高橋、鈴木健二をはじめ、山田礼人や原田皓太らG-NET黒ゼッケンライダーたちからも「急成長中の愛すべき後輩」として可愛がられており、一緒に練習することで飛躍的にその実力を伸ばしてきています。

大津崇博
「久しぶりにJNCCに出場しましたが、超楽しいですね! やっぱりスピードを出して走るのは好きです。DFGのソリッドウエアは今回初めて着用して走りました。ジャージは見た目よりも涼しくて、体にぴったりフィットして動きやすいですし、パンツは膝回りがかなり丈夫で耐久性も期待できそうです。

僕はバイクの師匠と呼べる人がいないんですよ。誰かにちゃんとバイクを教えてもらったことがなくて、ようやく最近になって礼人さんとかと一緒に練習させてもらうようになってからは、テクニックを見て盗むようになりました。聞いても『知らん。タカはアクセル開けとけ』って言われるんです(笑)。でも礼人さんの走りを目の前で見るとやっぱりすごくて、合わせるっていうんですか? サスが沈んだ瞬間にアクセルを開けて綺麗に登っていくんですよね。そういうのをちゃんと見て、自分のモノにするためにちゃんと考えています。

あと趣味が海外のレース動画を見ることなので、最近はジムでトレーニングをしながら、ずっと動画を見てイメージトレーニングを重ね、週末にはそれを反復練習しています。去年はマシントラブルも多くてG-NETでは思うような結果が出せませんでしたが、その度に対策をしてきてマシンを壊すことも少なくなってきました。家族や奥さんのサポートもあってレースに集中できる環境が作れていることも大きいですね。

最初は今年の目標がG-NET黒ゼッケン獲得で、来年こそはチャンピオンを、と思っていたのですが、前半戦が終わってランキング2位にいられているので、やっぱり今年チャンピオンを目標にして後半戦に臨みたいと思っています。海外レースの動画を見るのが好きなので、ハードエンデューロ世界選手権にも出てみたいです。憧れるのはやっぱりエルズベルグロデオですよね。目立つのが大好きなので、頑張って活躍して、注目されたいです!」

大津は若いながら既に結婚しており、奥様も必ずコース脇で大津を応援しています。また、近隣の会場ではご両親も一緒に来場しており、家族でエンデューロを楽しんでいます。

そんな大津をよく知る2人のレジェンドライダーからコメントをいただきました。

ロッシ高橋
「彼はG-NETでチャンピオンを獲るという明確な目標を持って取り組んでいます。そのための努力もちゃんとしているし、選手権にこそ出ていませんでしたが、幼少期からバイクに乗っていてスピードにも慣れているし、難しいところの走破力をもう少し磨いたら、スピード系もハード系もこなせる、すごいライダーになるポテンシャルがあると思います。今年もランキング5〜10位くらいに入れれば良いかな、と思っていたのですが、期待以上の活躍で、正直驚いています。今のG-NETの上位にいるライダーたちはしっかり下積みをして少しずつランキングを上げてきたライダーが多いのですが、彼はいきなり今のポジションに来たので、遊びのキャリアは長いとはいえ、ちょっと器が違うのかもな、と思います」

鈴木健二
「大津くんは若いライダーの中では一番元気があって良いですね。今のG-NETの中でとても良い刺激になってくれてると思います。今回はJNCCに出場するということで、彼はまだ実績が少ないので普通にエントリーしたらCOMP-Rクラスになると思うのですが、僕が推薦してCOMP-Aクラスにしてもらいました。鈴蘭はJNCCでも最もコースが難しくG-NETライダーに向いているとはいえ、総合14位はすごいですね。ロッシさんが2017年にここ鈴蘭に出た時が総合19位、今年のアヤト(山田礼人)が24位ですから、歴代のG-NETチャンピオンよりも上位でフィニッシュしていることになります。これからはG-NETだけじゃなくてエンデューロ業界全体にとっても大きな存在になっていくんじゃないかと期待しています」

DFG
ソリッド ジャージ
¥4,400(税込)
カラー:ブラック/レッド、ブラック/ネイビー、ブラック/ホワイト、ブラック/カモ、ブラック
サイズ:XS、S、M、L、XL、2XL、3XL

DFG
ソリッド パンツ
¥14,850(税込)
カラー:ブラック/グレー、ブラック/ブラック
サイズ:26、28、30、32、34、36、38、40、42、44

DFG
ソリッド グローブ
¥4,400(税込)
カラー:レッド、ネイビー、ブラックカモ、ブラック/グレー、ブラック/ブラック
サイズ:S、M、L、XL、XXL

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アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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