バイク メンテナンス

Flat-LAB.のフィルタークリーナーとフィルターオイルでエアフィルターの管理を再徹底

オフロードバイクを楽しむ上で欠かせないのが日々のメンテナンスです。その中でも重要かつ面倒な作業がエアフィルターの清掃ではないでしょうか。今一度エアフィルターの正しい管理方法を再確認し、今後のオフロードバイクライフに役立ててみてください

エアフィルターに清掃が必要な理由

エンジンに入る空気からホコリや異物を取り除くためにあるエアフィルターには湿式と乾式があります。それぞれ、メンテナンス性の違いから、モトクロッサーやエンデュランサーなどオフロードレーサーには湿式、セロー250やCRF250Lなどのトレールマシンやオンロードバイクには乾式のエアフィルターが使われる傾向にあります。

湿式のエアフィルターは目が荒く作られていて空気の吸入量が多く、高いエンジンパワーを引き出すことができます。その代わりフィルターをホコリが通過してしまわないようにオイルを塗布してホコリをフィルターに吸着させるようになっています。対して乾式のエアフィルターはフィルターの目が細かく、オイルを塗布しなくてもホコリを通しにくくなっていますが、その分、空気の吸入量も制限され、湿式に比べるとエンジンパワーが制限される傾向があります。セロー250などのトレールマシンでエアフィルターの清掃が不要なのは、こういう理由なんですね。

また、トレールマシンでもサーキット走行などを目的にパワーアップしたいというユーザーのためにサードパーティのカスタムパーツで吸気効率の良い湿式のエアフィルターが出ていたり、エアクリーナーボックスに穴開け加工を施して吸気効率を向上させたりしています。

実はほとんどのオフロードレーサーにおいて、エアクリーナーボックスは後方に配置されているため、エアフィルターが吸着するホコリの多くは自分のリアタイヤが巻き上げたものなのです。なお、湿式のエアフィルターを採用しているオフロードレーサーは走行毎のメンテナンスを前提に設計されているため、簡単にエアフィルターにアクセスできるようにメンテナンス性が高くなっていますが、日常のメンテナンスが不要の乾式エアフィルターを採用しているトレールマシンはエアフィルターへのアクセス手順が複雑なことも多いです。

また、特殊な例ですが4ストロークのヤマハYZシリーズは前方吸気を採用しており、エアクリーナーボックスが燃料タンクの前に配置されているため、エアフィルターが汚れにくい傾向にあります。

乾式のエアフィルターもたまに外してブロワーなどでホコリを除去してあげると吸気効率が回復することがあります。

オフロードレーサーが面倒なメンテナンスを強いてまで湿式エアフィルターを採用しているのには、ちゃんと理由があるんですね。面倒だからとエアフィルターの清掃をサボってしまうと、マシン本来の性能を発揮してくれない可能性や、下手をすると故障の原因になってしまうことがあります。

それでは次に湿式エアフィルターの正しいメンテナンス方法を見ていきましょう。

エアフィルターの清掃

湿式タイプのエアフィルターは、一度オフロードを走行したらその度に清掃するのが基本です。疲れていたり忙しかったりと理由をつけて「ちょっとくらい洗わなくても大丈夫だろう」と省略してしまうと、エンジン性能の低下、ひいてはエンジントラブルの原因になってしまいます。

エアフィルターは一度汚れ切ってしまうと、完全に元通りにするのは至難の業です。諦めて新品を購入しましょう。余計な出費を避けるためにも毎回清掃することをオススメします。


Flat-LAB.
エアフィルタークリーナー 液体タイプ
¥2,970(税込)
内容量:1,000ml

Flat-LAB.
エアフィルタークリーナー スプレータイプ
¥2,090(税込)
内容量:420ml

エアフィルタークリーナーには液体タイプとスプレータイプの2種類があります。どちらのタイプを使用する場合でも、まずはエアフィルター表面に付着したゴミやホコリを軽く手で落としましょう。

液体タイプの場合

大きめの厚手のビニール袋にエアフィルターを入れ、上からエアフィルタークリーナーを注いで全体に行き渡るよう軽く揉んだのち5分程浸透させます。

スプレータイプの場合
スプレーをよく振ったあと、エアフィルターに満遍なく吹きつけます。この時、外側だけでなく内側にも吹きつけるようにしましょう。そうしてやはり5分程度馴染ませます。

手でエアフィルターを揉み洗いし、汚れを落としていきます。スプレータイプを使用した場合でもビニール袋に入れてると洗いやすいですね。ある程度汚れが落ちたら軽く絞って流水で汚れとクリーナーを洗い落とします。

台所用の中性洗剤で揉み洗いし、水ですすぎます。汚れが完全に落ちるまで手順3〜4を繰り返します。

クリーナー、オイルともに排水溝に流すのは環境によくないため、バケツなどで受け止め、地域の決まりに乗っ取って処理するようにしましょう。


汚れが落ちたらエアフィルターを絞って水気を切り、乾燥させるために陰干しします。強く絞りすぎるとフィルターを痛めてしまうため、優しく扱いましょう。完全に乾燥したら清掃完了です。次はエアフィルターオイルを塗布しましょう。

エアフィルターオイルの塗布

湿式のエアフィルターには必ずオイルを塗布して使用してください。オイルもなんでも良いというわけではありません。オイルの粘度が高すぎると空気が取り込みにくく、逆に低すぎるとホコリを通しやすくなってしまいます。エンジンオイルを塗布する人もいますが、専用のエアフィルターオイルを使用するようにしましょう。

オイルがフィルターに馴染むのに時間がかかりますので、オイルの塗布は走行する12時間前には完了しておきましょう。オイルを塗布してすぐにエンジンをかけると、エンジン内にオイルが吸い込まれてしまい不調の原因になります。特に4ストロークマシンはエンジン始動に支障を来すことがあるので注意が必要です。

専用のエアフィルターオイルもクリーナー同様に液体タイプとスプレータイプがあります。

Flat-LAB.
エアフィルターオイル 液体タイプ
¥4,180(税込)
内容量:1,000ml

Flat-LAB.
エアフィルターオイル スプレータイプ
¥3,080(税込)
内容量:420ml

液体タイプの場合

理想はオイルがたっぷり入ったバケツにフィルターを完全に浸したあと、オイルが垂れてこないまで絞る方法です。しかしバイクショップやメーカーのファクトリーチームならいざ知らず、一般家庭でこれができる環境を整えるのはなかなか難しいでしょう。そのため、清掃した時と同じように厚手の大きめのビニール袋にエアフィルターを入れ、上からオイルを満遍なく塗布します。

Twin Airからはエアフィルターのクリーニング、オイルの塗布専用のクリーニングタブ(¥3,850 税込)とオイリングタブ(¥2,090 税込)が販売されています。毎週のようにライディングをする場合、このような専用タブにオイルやクリーナーを入れて常備しておくと、メンテナンスの手間も少なくて済みますね。


ビニール袋を使用する場合は、クリーナー用とオイル用、2つの袋を用意し、間違えないように使い分けるようにしましょう。

スプレータイプの場合

スプレーをよく振ってからエアフィルターの外側、内側両面に満遍なく吹きつけます。万が一塗り残しがあると、そこの部分だけ空気の流量が多くなり、ホコリを吸ってしまうので、ムラなく塗るようにしてください。

スプレータイプを使用した場合でもビニールを使って揉むことでオイルが均等に染み渡り、ムラを減らすことができます。

オイルがムラなく浸透したらフィルターを絞って余分なオイルを切っていきます。スプレータイプの場合は吹きつけ漏れが起きやすいのでもう一度よく確認しましょう。

エアフィルターオイルの基本は「満遍なく、薄く」です。多すぎても少なすぎてもいけません。基準としては「絞ってもオイルが水滴になって落ちてこない程度」まで絞るのが良いとされています。

このように色がついていない部分があるとNGです。

オイルを塗布したフィルターは12時間以上乾燥させ、オイルを定着させます。オイルを塗布してすぐにエンジンを始動してしまうと、不調を来す場合があります。そのため、エアフィルターのメンテナンスは走行後すぐに行い、レース前日にはオイルの塗布まで終わらせておくようにしましょう。

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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