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1000km実走テスト vol.2「タフロック スマートフォンマウント」

様々なダートフリーク製品を使用して1000kmを実走し、耐久テストやリアルな使用感をお届けする「1000km実走テスト」連載第2回目! 今回はツーリングの必須装備とも言える「タフロック スマートフォンマウント」の実力を検証してみました。

ZETA
タフロック スマートフォンマウント
¥15,950(税込)

このタフロック スマートフォンマウント(以下、タフロック)の特徴はいくつかありますので、まずは改めてその機能をおさらいしたいと思います。

一つ目はその名の通り、滑落防止。スマートフォンをしっかり(タフに)ロックし、大きな衝撃や走行中の振動などによりスマートフォンがホルダーから外れて落ちてしまうことを防ぎます。

二つ目はZETA独自のVA-S(Vibration Absorber-System)により、エンジンの振動によるスマートフォンのカメラ機能トラブル発生のリスクを軽減すること。これはバイクでスマートフォンマウントを使用する際に避けては通れない問題ですが、ダートフリークが示した一つの解決策がVA-Sなのです。

三つ目はハンドルクランプスペーサーが3つ付属しており、取付径22.2mm、25.4mm、28.6mm、31.7mmのハンドルバーに対応する汎用性の高さです。

汎用性に富んだタフロックの装着方法

今回はこのタフロックをBMW R1300GSに装着して1000kmを走行し、そのタフさを体感してきました。タフロックは車種専用品ではなく汎用品ですので、まずは取り付け場所を探りながらその汎用性の高さを確認していきます。

ZETAのハンドルアクセサリーを使えば様々な場所に装着可能なのですが、まずは一番オーソドックスと思われるハンドルバーの真ん中に取り付けようとしたところ、ハンドルバーとクランプの隙間がかなりギリギリでうまく入りませんでした。一度ハンドルバーを外せば装着できそうですが、R1300GSのハンドルバーの中心部はBMW特有の31.7mm径なので、スペーサーを噛ませられず、ハンドルバーに傷がついてしまう可能性があったので今回は他の取付場所を検討してみます。

ところが純正ハンドルバーはテーパーがかなりキツくついており、いかに汎用性に優れたタフロックでもなかなか良い装着ポイントが見つかりません。なお、ハンドル左側はハーネスに干渉してしまいました。

ハンドルバー右側に装着できました。R1300GSの場合、おそらくここが最も容易に取り付けられる位置だと思います。それでいてシッティング時にはしっかり視界に収まり、容易にナビを確認することができます。停車時に操作したい時も操作しやすく、結果的に合理的な位置を見つけることができました。

前から見るとR1300GSの大きなシールド内にすっぽり収まっており、風の影響も受けませんし、万が一前方から飛び石などが飛来してもスマートフォンに当たるようなことはありません。

シールドを高くすれば更に完璧。もはや前からスマートフォンは見えません。なおタフロックにはオプションでシールドセットも用意されていますので、シールドのついていないバイクでも安心して使用できます。

ZETA
タフロック スマートフォンマウント オプション シールド
¥2,200(税込)

また、モニターの上にあるスペースに装着してラリーコンピューターっぽく仕上げると、スタンディング時でも見やすい位置にセットすることができます。この場合にはコンバージョンアダプターを使うことで純正の13mmバーを22.2mmに変換することができますので、ぜひ試してみていただきたいと思います。なお、ここには純正のナビホルダーが装着されており、その配線もあるため、その辺りを綺麗に処理する必要が出てきます。

ZETA
コンバージョン アダプター From Φ13mm to Φ22.2mm
¥2,420(税込)
内径:13mm

製品名を裏切らないタフさ
スマートフォンカバーを付けたまま使用できる

僕が世の中に普及している多くのスマートフォンマウントに言いたいのはとにかく“スマートフォンカバーをつけたままでもキチンと本来の性能を発揮して欲しい”ということに尽きます。

例えば僕はスマートフォンカバーには必ずリング付きのものを使用しています。仕事上、カメラや荷物をたくさん持っている取材時でもこのリングに指を通しておけば落としてしまうことがなく、とても便利なのです。しかしこのリング付きカバーを装着していると中央部分に厚みができてしまうため、ロックするツメが小さいスマートフォンマウントだとちゃんと固定できないことがあります。でもその度にいちいちカバーを外すのも面倒なんです。

その点、タフロックはバッチリでした。大きなツメがカバーをつけたままでもしっかり掴んでどんなに揺らしても外れる気配すらありません。ものすごく頑丈なのに手で引っ張ると簡単にスマートフォンを取り外すこともできますし、使い勝手は実に良かったです。

また、タフロックはマウント部分とホルダー部分をボール状のマウントで繋いでいるため、向きを自在に変えることができ、取り付けた場所に応じて見やすいセッティングが可能です。なお、この締め付けボルトは手で簡単に回すことができますが、締め付けすぎるとネジを壊してしまうことがあるため、ボールが外れない程度の強さにしておきましょう。このネジの締め付けが弱すぎると林道やガタガタ道でボールが回転してしまうことがありますが、滑落には繋がりませんので安心して使用できます。

ここで取り付け時の注意点を一つ。防振ゴムを両側から挟み込む際に噛み合わせを誤ってしまうと、マウントアームを手で引っ張っただけで簡単にスポッと抜けてしまいます。しっかり奥まで噛み合うように取り付けましょう。

実は取材時も防振ゴムの写真を撮影するために分解したら、取り付けを間違えて少々困惑してしまいました。実際に走行する前に手で引っ張ってみて、しっかり装着できていることを確認すると良いと思います。

ホルダー部分はL型六角レンチ一本でサイズ調整ができます。一度自分のスマートフォンに高さを合わせてしまえば、工具を持ち歩く必要はありません。

R1300GSで実走テスト
BMW Motorrad Connectedとの相性も確認

前回の1000kmテストでは東京を出発して西へ旅したので、今回は北へ行ってみることにしました。ちょうど茨城県の筑波山で別案件の取材があったので、そのまま単独で山形県米沢市まで走ってきました。

トンボ帰りも虚しいので、ちゃっかり米沢牛を堪能してきちゃいました。本当にすいませんでした。

林道走行はせず、高速道路を含むアスファルトのみでしたが、当然のように滑落も大きなトラブルもなく、快適なナビゲーション・ツーリングを堪能することができました。

また、気になるスマートフォンのカメラ機能のトラブルですが、バイクの中でも特に振動が少ないと言われるBMWの1300ccボクサーツインエンジンで1000km走ったところ症状は出ませんでした! これこそまさにタフロックの本体内部に仕込まれた防振ゴムの効果ですね。

また、BMWのナビアプリ「BMW Motorrad Connected」も試してみました。こちらはスマートフォンに日本の地図データをダウンロードすることで使用することができ、目的地までルート案内をしてくれます。

ナビゲーション時は横向きに設置する前提で開発されているようで、工具不要で縦横を自在に変更できるタフロックならではの使い勝手の良さを再確認することができました。

なお、BMW Motorrad Connectedはスマートフォンの画面だけでなく、モニターにも曲がる交差点までの距離と進行方向を表示してくれます。急な雨などでスマートフォンをタフロックから取り外し、ポケットに収納してもルートが確認できるのは嬉しいですね。

以上、実際に長距離ツーリングに使用してタフロック スマートフォンマウントのタフさを確認しつつ、取り付けのポイントや注意点をおさらいしてみました。ダートフリークではあくまで「最大70%カット」としていますが、スマートフォンのカメラ故障問題をほとんどクリアしている点が実証できたと思います!

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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