バイク ライディングギア

実は超絶豊かなバリエーション。グローブの選び方

みなさん、グローブって何を基準に選んでいますか? バイク用品店に行ってみると、薄さやプロテクション、デザイン性など、異なる特徴を持ったグローブがずらりと並んでいて、どれが良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。

今回はツーリンググローブの選び方をご紹介。季節感/防水・防寒性能/プロテクション性能/サイズ感、4つの観点から、ALPINESTARS/FOX /DFGのグローブを見ていきます。

まずは季節感をチェック

夏服や冬服など、季節に合った洋服があるように、グローブも季節に合わせてラインナップされています。そこでまずは使用する季節をチェック。夏なら涼しさを高めるための、通気性に特化したもの。冬なら寒さで手がかじかまないよう、保温性を高めたものを選ぶことで、快適なツーリングを楽しむことができます。

寒さから身を守る、防水/防寒性能

次に、機能性を見ていきましょう。ツーリング時、バイクを操作する手が冷え切って動かなくなってしまってはおしまい。どんな季節でも、雨対策としての防水性能、寒さ対策としての防寒性能をチェックするのはマストです。

ALPINESTARS:サーモシールダーグローブ

FOX:ディフェンドウインドオフロードグローブ

FOX:ディフェンドウインドサーモオフロードグローブ

防水/防寒性能を持った3つを見比べてみると、それぞれ素材が違っているのがわかります。ALPINESTARSの「サーモシールダーグローブ」は防寒性に特化しているもの。グローブ全体からナイロンのような生地感が感じられますが、これは耐熱性や耐寒性に優れたフルネオプレーンという素材。走行中に受ける風を防ぐだけでなく、高い保温性で手を冷えから守ってくれます。さらに、フルネオプレーンは伸縮性もあるためフィット感も高くなっています。モトクロスにも使用できるよう薄手で作られているため、保温性は欲しいけど、厚手のものは苦手という方は、このような薄手のタイプを中心に見てみるとお気に入りに出会えるかもしれません。

FOXの「ディフェンドウインドオフロードグローブ」は、ALPINESTARSよりもモトクロスグローブのようなデザイン。防水性能に優れており、一番雨に当たる面積が広い手の甲には撥水加工が施された2層の生地を、手のひらには防水性の高いAXスエード生地を使用しています。また、FOXの「ディフェンドウインドサーモオフロードグローブ」は断熱性を重視したグローブで、3つの中で一番厚みがあります。手の甲にはウレタンフォーム、裏地には起毛生地を採用することで保温性を高めています。機能によってつけ心地や厚みが変わるため、欲しい機能やつけ心地を基準にすると選びやすくなるでしょう。

防水/防寒性能は全体の生地感だけでなく、指の間の生地の配置など、細かい部分も注目してみるとより使い心地の良いものを選ぶことができます。例えば、防水に特化したFOXの「ディフェンドウインドオフロードグローブ」は、中指/薬指/小指の側面にPUコーティングが施されたストレッチナイロンが採用されています。グローブをしていても縫い目から水が染み込んできて手が冷える……ということが無いよう、細部まで配慮されているのは嬉しいですよね。

また、試着が可能な場合、実際のつけ心地を試しておくと操作性を実感することができます。特に、厚みのあるグローブだと指が曲げにくかったり、ブレーキやクラッチの操作がしにくいことも。実際に厚手のディフェンドウインドサーモオフロードグローブ」をつけてみると、厚みはあるものの、しっかりと手を握ることができました。ここまで握ることができればレバー操作の心配もないですね。なお、寒さ対策としてグリップヒーターの使用もおすすめ。グリップ自体が暖かくなるため、保温性のあるグローブを合わせて使うことで手を暖かい状態でキープすることができます。

ソフトかハードで分かれる、プロテクション性能

ツーリング時、アスファルトの上で転倒すると、手の甲/関節/手のひらなどを擦る危険性があります。そのため、ツーリンググローブにプロテクション性能は欠かせません。怪我を防ぐためにプロテクターが入っているのですが、製品によってプロテクターの固さや入っている部分は異なります。

1枚目左からALPINESTARS:フルボアグローブ、FOX:ダートパウグローブ、ボンバーグローブ

2枚目左からDFG:レンジャーグローブ、ナビゲーターグローブ

5種類を比べてみると、プロテクターの違いが一目瞭然ですね。ALPINESTARS「フルボアグローブ」とFOXの「ダートパウグローブ」はプロテクターに耐久性の高いネオプレーン素材を使用。動きやすさや指の曲げやすさを重視していることがわかります。

一方、FOXのボンバーグローブ」とDFGの「レンジャーグローブ」、「ナビゲーターグローブ」は、それぞれ手の甲部分にハードプロテクターが採用されています。見た目からわかるようにプロテクターが出っぱっているため、転倒時に拳部分をしっかり保護することができます。どこにプロテクターが入っているか、どこまでプロテクション性能が欲しいかを基準に見てみると、自分に合ったグローブを見つけることができます。

また、手のひらのプロテクション性能もグローブによって異なります。FOXのボンバーグローブ」は手のひらの素材が2層に重なっており、手のひら全体の耐久性を高めた仕様。一方、DFGの「レンジャーグローブ」は手のひらに山羊革を使用していることに加えて、プロテクターもついています。手のひらから手をついてしまった場合も考慮すると、プロテクターの多さから安心感が感じられます。

プロテクターが多い分安心感を得ることができますが、指を動かしにくそうというイメージも出てきます。その場合、ギャザーが入っているかどうかをチェックしてみましょう。グローブの指の関節部分にギャザーが入っていることで、指の曲げ伸ばしがスムーズに行えます。

豆知識。実は競技用グローブが一番薄い

FOX:エアーライングローブ

FASTHOUSE:エアークールドグローブ

ツーリング用グローブを選ぶ際、プロテクション性能を軸に見る方が多いと思います。一方で、公道よりも激しい走りをするモトクロスは、ツーリング用とは反対にプロテクションがほぼついておらず、かなり薄さを求めて作られています。理由としては、公道で転倒する場合、アスファルトの上をそのまま滑っていく転倒の仕方になるため、プロテクションがないと手の甲と地面で摩擦が起き、大怪我を負ってしまいます。一方、モトクロスは公道と比べて転倒時に摩擦の心配はありません。この転倒の仕方の違いが、ツーリング用とモトクロス用の違いを作っているのです。ツーリング用の方がプロテクションががっちりしていて、モトクロスはペラペラな作りというこの違いは目から鱗ですよね。

動きやすさを重視して、ベルクロ止めを無くしたシームレスな作りになっていたり。

グローブ内の蒸れを防ぐため、通気口が手のひら全体についています。

季節感/防水・防寒性能/プロテクション性能/サイズ感、自分がこだわりたいものは何かを意識してみると、選ぶ軸が見えてきます。ぜひ、意識して選ぶことで豊富な種類の中からお気に入りのグローブを見つけてみてください!

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

-バイク, ライディングギア
-, ,