最近の売れ線バイクと言えばアドベンチャーバイク。vol.3となる今回では、新しくなった「GS」こと、BMWのR1300GSをピックアップ。ダートフリークから発売している定番のツーリンググッズの装着感を確認してみました。
2023年11月に発売されたばかりの新しいGS。R1250GSから排気量をアップしてフルモデルチェンジを遂げました。
水平対向エンジンらしいトルクフルな特性と、車両重量250kgとは思えないほどの重心バランスの良さ、直進安定性はもちろん、コーナリングでも重さを感じさせず、安定して高いツーリング性能とオフロード性能を発揮します。
現在世界中でアドベンチャーブームが巻き起こっていますが、その中でも圧倒的に高いシェアを誇っているのが、このGSシリーズ。つまり、GSこそがアドベンチャーバイクのワールドスタンダードなのです。
サイドバッグベース+モトモジュールパックが
すんなり装着可!
DFG
サイドバッグベース オフロードタイプ
¥18,150(税込)
幅840mm×高さ380mm(ベルトは含まず)
まず、どんなツーリングでも便利に使えるのがサイドバッグベース。サイドバッグベースはオンロードタイプ、オフロードタイプ、アフリカツイン専用の3種類がリリースされていますが、今回はオフロードタイプを装着してみました。
純正リアキャリアのフレームを使って金属フックでしっかり固定可能です。キャリアは樹脂製ですが作りがしっかりしているため、強く引っぱってもビクともしません。
DFG
モジュールモトパック15
¥13,200(税込)
容量:15L
サイズ:幅230mm×奥行160mm×高さ390mm
そこにモジュールモトパック15を合体。モジュールモトパックは7.5L、15L、30Lと3種類ありますが、15Lがサイズ的にちょうどいい感じでした。
気になるサイレンサーとの干渉も問題ありません。ある程度しっかり隙間が確保できています。
スマホのカメラを保護する
タフロック スマートフォンマウント
ZETA
タフロック スマートフォンマウント
¥15,950(税込)
さらにハンドルバーにタフロック スマートフォンマウントを取り付け。
昨今のツーリングではマストアイテムと言えるスマートフォンマウントですが、バイクのエンジンが回転する時に発生する高周波振動が、カメラの光学式手ぶれ補正とオートフォーカスを狂わせてしまうという話があります。このタフロック スマートフォンマウントは本体の中に特殊形状の防振ゴムを内蔵しており、エンジンの高周波振動をカット。スマートフォンの故障リスクを最大70%軽減してくれます。
タフロックのクランプは31.7mmまで対応しているため、ハンドルバーのセンターにも装着可能かと思ったのですが、ハンドルバーとクランプベースの隙間が狭くて受けパーツが入らなかったので断念。ブレーキやクラッチのマスターシリンダー、ハーネス類を避けながら装着可能な位置を探ったところ、右手側のバーに落ち着きました。
シッティングなら十分見やすい位置な上にR1300GSの巨大なシールドの防風範囲にしっかり収まっているため、高速道路を走っていてもほとんど風を受けません。燃料タンク上部にUSBソケット付きの小物入れがあるので、充電しながら走ることもできます。
本来ならばモニターの上にタフロックを設置するのが一番見やすいと思うのですが、純正オプションのスマホホルダーが鎮座されていました。これを取り外してもアクセサリーバーが細すぎて、φ22.2mm以上のバーにしか装着できないタフロックは無理そうでした。
冬の最強装備
CW ハンドウォーマー
この撮影を行った季節は冬。朝、気温を見たら2℃だったので、ハンドウォーマーの装着をテスト。
ZETA
CW ハンドウォーマー
¥10,450(税込)
サイズ:L
CW ハンドウォーマーにはMサイズとLサイズがあり、MサイズはCRF250Lなど、LサイズはCRF1100L AfricaTwinやTENERE700に対応しています。R1300GSもLサイズがピッタリでした。
ハンドガードのフレームにマジックテープで固定することでハンドウォーマーの形状が安定します。
外側の固定もやっぱりマジックテープです。ハンドルバーとマスターシリンダーを包むとしっかり固定できます。
R1300GSは左右のスイッチボックスにたくさんのスイッチがあるのですが、このCW ハンドウォーマーはスイッチボックスとの間に隙間があるため、ハンドウォーマーをつけたまま容易に操作できます。
特に左手にはウインカー、ハザード、クラクションを始め、クルーズコントロール、電熱装備の調整スイッチなどがありますが、これらも問題なく操作できます。
シッティングでもスタンディングでもライディングの邪魔をせず、手が全く寒くない冬の最強装備です。
ところが……
いざ走り出そうとしてみたら、なんとR1300GSはウインカーがハンドガードに内蔵されていることに気づきました……!
このままだと合図不履行違反になってしまうため、今回はハンドウォーマーを装着しての走行は泣く泣く諦めました。ただし、R1300GSでもスポーツモデルのR1300GS スポーツでは別体式ウインカーがヘッドライトの左右に装着されていますので、使用可能です。
ZETA開発陣が見るR1300GS
車両のカスタムが完成したのでダートフリークのZETA商品開発グループに見てもらうことにしました。
車両をピットに入れるやいなや、「待ってました!」と言わんばかんに開発陣に囲まれるR1300GS。各自がそれぞれ自分の携わる部分を見て、触って、自由に感想を述べてもらいました。
一人一人交代で跨り、ポジションの確認。単純に新しいGSに興味津々で、ダートフリークの開発陣はシンプルにバイクが大好きな人間の集まりなのだということを改めて実感しました。ここでは製品化の可・不可は置いておいて、自由に開発陣の感想を伺ってみました。
リアフェンダーを触って剛性を確認。軽量にも関わらずかなりしっかりしており、評価は上々。
やっぱり気になるのはハンドルバーの直径。BMWのハンドルバーのセンター部分はφ31.7mmもあるんです。
ハンドルバーの切れ角は非常に大きく、クリアランスはギリギリ。
ハンドルの下部にあるEVOテレレバーシステムに釘付け。
DRCからリリースされている電装部の開発陣はブレーキランプとウインカーが一体になっている点もチェック。
シートだけでなくタンクの上面も柔らかい素材が使われているのは、オフロードバイク目線で高得点。
ミラーにも配線が引かれていて、斜め後ろの死角から車やバイクが接近していると一部分が点滅して教えてくれます。配線の処理が複雑なため、ミラー交換も敷居が高そうとのこと。
アンダーガードの厚みは約2.5mmで、オフロードを走るには少し薄め。エキパイも露出しているため、もう少し大きくて厚みのあるアンダーガードはあってもいいのかも……。
アンダーガードの底面はエキパイの膨張室まで含めてフラットに仕上げられています。
BMWの車両は国によってサイドスタンドの形状が異なっていることがあるため、サイドスタンドエクステンダーの開発は注意が必要とのこと。
フロントフォークアウターカバーをカーボン調にデコレートするZ-CARBONのフォークラップは簡単に作れそうです。
スクリーンのボルトカスタムは簡単に見た目をオシャレにできますね。
ステップのサイズを新商品のアドベンチャーフットペグと比較。これに変えるだけでかなり操作性が向上しそうです。
タフロックを設置したかったアクセサリーバーにはφ22.2mmの径に変換するアイテムを提案。
二輪事業部開発グループ 酒井宏明さん
「一言で言って、ハイスペックですよね。今までアドベンチャーではアフリカツインやテネレのパーツを中心に作ってきたのですが、欧州でもたくさんの社外パーツが出ていますし、世界にはGSの巨大なマーケットが広がっているのはわかっていましたので、気になっている車両ではありました。実は数年前にGSのパーツ開発に取り組もうとした時期があったのですが、車両を確保することが難しく、頓挫してしまっていたんです。
ZETAが今まで他車種向けに開発してきたパーツだとハンドガードとかフットペグ、レバーなどになるのですが、純正のハンドガードにはウインカーが埋め込まれていますし、フットペグもレバーも純正のデザインが良いしクオリティが高いです。なので、既存の商品をGSに適合させるのではなく、GS専用のパーツを開発する必要がありそうだと思いました。さらにベース車両のクオリティがとても高く、かなり細かいところまで気を遣って作られていることがよくわかりますので、もしZETAからパーツをリリースするとしたら、純正パーツと同じクオリティに合わせる必要が出てくると思います。
うちにはGSトロフィーの出場経験を持つスタッフもいますので、GSファンの好みや求める条件などはよくわかっているつもりです。特にGSトロフィーでは転倒も多いので、アンダーガードやエンジンガードが重要視されているのですが、そういった部分は純正オプションパーツでもかなりカバーすることができるんです。
一つ意見が出たのはライディングポジションですね。スタッフによってはハンドルバーがもう少し手前にあった方が日本人向けだと感じた者もいたようですので、ハンドルバーのポジションを変更するようなパーツは出せるのではないかと思いました。また、リアフェンダーのフェンダーレスキットとかも出来そうですが、GSに乗っている人にどれだけフェンダーレスの需要があるのかは検証する必要がありそうです。
あとは例えばハンドルバーなどに装着できるアクセサリーバーやドレスアップのボルト類とかは需要があるかな、と思います。また、ウインカーを隠してしまうハンドウォーマーは前部分だけ透明な素材のものを作れば簡単に解決できそうですね」
ダートフリークではGS向けパーツの開発を決めたわけではありませんが、いつか日本が誇るZETAブランドのパーツが、世界中のGSファンに届く日が来ることを楽しみにしたいと思います。