寒さが厳しい冬の季節。モトクロスをしたいけど、手がかじかんで思うように指が動かせない……と寒さに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。実際、指がかじかむとアクセル/ブレーキ/クラッチの操作を行うのに支障が出て、ライディング中の怪我につながる危険性もあります。今回はそんな「手かじかむ問題」を解決するべく、指先あたためノウハウをご紹介。
あたためノウハウ
超原始的、吐息であたためる
まずはとても原始的な、吐く息を吹きかけて手を温める方法。道具を必要とせず、はあっと息を吹きかけるだけで手を温めることができる、一番簡単な手法です。しかし、その効果は薄く、正直なところ手が温まるのは息がかかった一瞬で、すぐ寒さが戻ってきます。また、当然ですがライディング中には行えません。
手指運動
息がダメなら、手を動かして温める作戦。手をグー、パーと交互に開いたり閉じたりする手指運動は、数分間行うことで血管が開いて血が巡り、体温を上げることができます。身体の内側から温まるため、冷えにくく効果的です。しかし、一度冷え切ってしまった手の体温を、手指運動のみで上げるにはかなり時間がかかります。
カイロ
唐辛子を使わなくとも、現代にはコンビニでも買えるカイロが存在しています。カイロは、鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄(水酸化第二鉄)になる化学反応が起こるときに出る熱を有効利用したもの。その持続時間は10時間を超えるため、一日中使えます。持っているだけで手が温まるため、乗車前や休憩時間に握っておくことで手の体温を高めることができます。
バイクの熱を利用する
バイクに頼る方法もあります。暖気をした後のマシンであれば、バイクのサイレンサー部分の温度が高まるため、手を温めることができます。写真のように2ストロークのチャンバーも暖かくてよいのですが、4ストロークのエキパイ部分は高熱なので火傷を負ったりウエアを融解させてしまいますので注意してください。
1つ問題が……
と、ここまで見てきましたが、一つ問題が浮かびます。それは、全て「走行中に使えない」ということです。モトクロスグローブは操作性を考慮してかなり薄手の作りになっているため、走行中に冷たい風が手に当たることで手が冷えていきます。この寒さをしのぐには、どうしたら良いのでしょうか。
DFG ウィンターグローブ最強説
そこでご紹介したいのが、DFG ウィンターライドグローブです。同製品はいわば冬用モトクロスグローブ。通常のモトクロスグローブは操作性を高めるために生地が薄く、風が通るのに対して、ウィンターライドグローブは防風生地を採用し、保温性能が高いため、手がかじかむのを防いでくれます。
開発担当者によると、まさに「手かじかむ問題」に自身が直面したことがきっかけだとか。
「私の子供がモトクロスをしているのでコースに行く機会が多いのですが、冬になると子供が『寒すぎて手が動かない』と言ってきて、全然バイクに乗れませんでした。特に走り始める時は身体も温まっていない状態で、めちゃくちゃ寒くて手が動かないんですよね。特に手先は、運動しても最後に温まる部分なので、毎回乗り始めは我慢して乗らせるしかありませんでした。そこで、冬用のモトクロスグローブがあれば良いなあと思ったのがきっかけで作り始めました。他のキッズライダーの親御さんたちからも、子供が薄いグローブで寒がっているという悩みを聞いていたので大人サイズとユースサイズのラインナップを作りました」(開発担当)
冷たい風を通さず保温
手の甲側はクッション、内側に起毛生地を使用しているため、着用することで冷たい風が当たるライディング中でも体温を逃がしません。
また、冷たい風の侵入を防ぐため、指の間の生地には防風生地を使用。ストレッチ性があるため、操作性にも影響はありません。
風が通らないよう手首もしっかりガード。防風性のあるネオプレン生地を採用し、スリット部分にはストレッチ生地と絞り調整フラップを使用することで冷たい風が侵入する隙を無くしています。
開発担当者は「普通のグローブだと通気性が良い生地を使っているので風が通ってしまい、走行中も手先が温まらないことが多いです。なので保温性を重視して作りました」と話し、手のかじかみを解決するためのこだわりが詰まっています。
なお、家を出る前や走行前にカイロやストーブでグローブを温めてから使用すると、保温性能の効果が高まり、ライディング時も手先の暖かさがキープされます。
モトクロスグローブとしての実力の高さ
また、モトクロス用として作られているため、モトクロスグローブとしての実力が高いのも魅力の一つ。冬用グローブと聞くと、厚手でグリップ操作がしにくいとイメージする方も多いと思いますが、モトクロス用として操作性を重視して作られているため、厚手のグローブとはいえアクセルの握り心地やレバー操作がしやす異様工夫が施されています。
手のひら部分は一枚革で構成されており、グリップの握り心地を重視しています。冬用グローブと聞くと、厚手でグリップ操作がしにくいとイメージする方も多いと思いますが、モトクロスグローブと同じ製法で作っているため、操作性を損なわず、動きやすさも確保されています。
また、指先には滑り止め対策のシリコンプリントが施されています。レバーを握った際のグリップ性を高めることで、操作のしやすさにもつながっています。
実際に使用してみたところ、通常のモトクロスグローブより厚みはありますが、厚みが邪魔をして操作がしにくいということはありません。何より、外からの寒さを感じないため、指が冷たくて動かせない……というストレスから解放され、快適に冬のライディングを楽しめます。
様々なあたため方法を紹介してきましたが、中でもDFGウィンターライドグローブの実力は高く、これがあれば「指先かじかみ問題」も一気に解決するでしょう。冬もモトクロスを楽しむために、ひとつ持っておくことをおすすめします。