日本国内で30年以上オフロードバイク用品やパーツを販売し続けてきたダートフリークが、ついに自社でオフロードバイクウエアを開発しました。言うなれば、どこよりも日本のオフロードバイク業界を知り尽くした企業と言えます。そんなダートフリークの社名を冠したブランドが「DFG(ダートフリークギア)」です。
DFGでは元々ツーリングなどに用いられるライディングジャケットや、パンツなどをリリースしていましたが、今回ついにオフロードウエアを開発、販売開始しました。
それがDFGソリッドウエアです。
DFG
ソリッド ジャージ
¥4,400(税込)
カラー:ブラック/レッド、ブラック/ネイビー、ブラック/ホワイト、ブラック/カモ、ブラック
サイズ:XS、S、M、L、XL、2XL、3XL
DFG
ソリッド パンツ
¥14,850(税込)
カラー:ブラック/グレー、ブラック/ブラック
サイズ:26、28、30、32、34、36、38、40、42、44
DFG
ソリッド グローブ
¥4,400(税込)
カラー:レッド、ネイビー、ブラックカモ、ブラック/グレー、ブラック/ブラック
サイズ:S、M、L、XL、XXL
エントリーユーザーの負担にならない
低価格で基本性能を抑えたウエア
現在ダートフリークではFOX、SHIFT、ALPINESTARS、FASTHOUSEの4ブランドのライディングギアを取り扱っています。しかし海外、特にアメリカのオフロードブランドはどうしてもモトクロスのレースシーンが中心に考えられているため、軽さや動きやすさを最も重視した製品開発が行なわれています。そのため、体温調節機能や耐久性など、日本のエントリーユーザーの大半を占めている林道ツーリングライダーには最適とは言えない部分があります。
さらに海外ブランドで質の良いものは価格も高く、エントリーユーザーには敷居が高くなってしまっていました。これからオフロードバイクを始める時にはウエアだけでなくヘルメットやブーツ、プロテクターなどたくさんお金がかかるため、一つ一つにかかるお金を少しでも減らしていきたいものです。
そういったエントリーユーザーの気持ちをよく知っているダートフリークだからこそ「始める人が入って来やすい業界にしたい」という熱い想いを、DFGソリッドウエアのコンセプトに決めたのです。
開発当初の目標はジャージ、パンツ、グローブ3点合計で2万円以内。ところが開発が終わりいざ発売、となってみると円安の影響を免れることができず、惜しくもこの目標はクリアできなかったわけですが、3点で23,650円(税込)という低価格を実現しました。
もちろん、ただ安価なだけではありません。ダートフリークが社名を冠したブランドでリリースする以上、「安かろう悪かろう」ではいけません。安価でありつつも基本性能をしっかり備えていること。それが日本のオフロード業界を知り尽くしたプロフェッショナルであるダートフリークの使命なのです。
目立ちすぎず、コンビニにも入れるデザイン
デザインについてはSNSを活用しての市場調査や、ダートバイクプラス瀬戸店で買い物をするお客様の反応を見て、決定しています。
海外メーカーのモトクロスウエアは基本的に派手なデザインのものが多いです。そもそもレースに出るようなライダーは目立ちたがりが多いこともあり、赤や黄色のド派手なウエアが人気を集めています。
しかし初心者はむしろ目立つのが怖いものだったりします。自分の走りに自信がないため、なるべく注目されたくないものです。また、林道ツーリングライダーは、ツーリングの途中でコンビニや食事処、お土産屋さんなど、たくさん寄り道をします。そこで赤や黄色の派手なウエアを着ていると、やはりちょっと恥ずかしい時がありますよね。
また、オフロードウエアの多くはカラーも含めて上下セットで着ることが当たり前という風潮があります。そのため、どちらかだけが破れてしまった場合に上下とも買い直しになってしまい、不経済なことがあります。例えば同じパンツでジャージだけブラック/レッドに着替えてもこの通り、違和感のないコーディネートに仕上がります。
パンツは黒ベースの2色展開。ジャージやグローブの様々なカラーと合わせられるようにしています。特にブラック/ブラックに至ってはDFGのロゴもほとんど見えないような仕上がりになっています。
同じDFGブランドのMOTO-Xジャージと合わせてもこの通り。
さらにFOXの360ジャージ スーパートリックと合わせてみました。ブランドを跨いでのコーデもイケます!
エントリーユーザーに向けた商品のこだわり
ジャージ
モトクロスでの使用は運動量が多いため涼しいフルメッシュが喜ばれるのですが、DFGでは林道ツーリングでの使用も視野に入れ、立体編みのストレッチメッシュ生地を採用。これならば急な気温の変化にも対応できます。
ツーリングでは標高の高いところやトンネル内など、寒い所もありますし、高速道路では風を切って100km/hで走ることもあります。春・夏・秋3シーズン快適に使えるジャージを目指した結果なのです。
柄は生地に直接インクを染み込ませる昇華プリント方式を採用。そのため、着心地も軽く、通気性も良く、洗濯による色落ちの心配も軽減されています。
また、内側の縫い目にはオーバーロック仕上げを取り入れ、縫い目のほつれなどを防ぐとともに厚みを軽減。プロテクター装着時の脱着などによる破れやほつれを予防しています。
もちろんモトクロスやエンデューロなどでも使いやすいように、背中の丈が長いドロップテール設計になっており、パンツから裾がはみ出しにくいようになっています。
パンツ
パンツは特に動きやすさと耐久性のバランスを意識しました。
海外ブランドの安価なMXパンツだと足の内側に革素材がなかったりするのですが、それだとエキパイで足を火傷するリスクが高くなります。安くてもライダー目線で必要な機能はちゃんと備えている、それこそがダートフリークのこだわりなのです。
オフロードバイクで一番怪我が多いのは足。膝と脛にはクッションパッドが入っていて、膝プロテクターなしでの使用も視野に入れています。もちろん併用も可能で、その場合でも違和感はありません。
膝周りや腰部分には伸縮性の高い4WAYストレッチ生地やシャーリングを採用。丈夫で耐久性があるのに動きやすい、というところを目指しています。さらにウエスト内側にはシリコンゴムが付いていて裾上がりを予防しています。
グローブ
多くのエントリーモデルのグローブには手の甲や指にプロテクターが付いていたりするのですが、DFGでは目標とする価格設定を守るためにあえてそれらをカットしました。するとなんと、馬場大貴や道脇白龍といったモトクロス、クロスカントリーのトップライダーがその操作性を絶賛。実は操作性に振り切ったグローブこそがトッププロの求めるものだったんですね。
MXグローブは高い操作性が求められるので、通常のバイクグローブよりも薄く作られています。手が痛くなりにくいように手のひらには耐摩耗性に優れたAXスウェード生地を採用し、グリップと接する部分は二重構造で耐摩耗性と振動吸収性をアップしています。
袖口はベルクロのないスリップオン構造。脱着時こそ少しタイトに感じますが、装着してしまえば脱げることはありません。こちらは開発段階にベルクロをつけてテストも行っているのですが、フィーリングが悪化してしまったとのこと。テストライダーも口を揃えて「ベルクロがない方がいい」と評価。結果、軽量化とコストダウンにつながりました。
さらに実は指先にはスマホタッチ生地を使っています。ところが商品ページの機能説明にはこのスマホタッチ機能は掲載されていません。これはスマホの機種や触る場所によって操作感にムラが出てしまっていることから、ダートフリークとしてスマホタッチとは謳えない、という判断から。しかし編集部で使用してみたところ、概ね問題なく、普通に操作することができちゃいました!
馬場兄弟用のスペシャルウエアも商品化が期待
このように、DFGのソリッドウエアはあくまでエントリーユーザー向けのもので、レース中級者くらいまでは十分に使えますが、トッププロとなるとその性能は満足できるものではありません。
そのため、DFGウエアのプロモーションライダーを務めている馬場大貴・亮太の兄弟は特別製のDFGウエアを使用しています。
ジャージ、パンツともによりストレッチ性に優れた生地を採用し、軽量でとにかく動きやすい特注ウエアになっています。
これはDFGだけでなく、FOXなど海外ブランドでも同じような動きがあって、AMAで活躍する下田丈選手が着用しているFOXも、性能はトップカテゴリーのフレックスエアーでありながらデザインはエントリーモデルの180だったりします。
実は馬場選手の着用しているウエアに触れた多くのライダーたちから、このウエアの市販化を望む声がダートフリークに寄せられているとのこと。DFG開発担当者に聞いてみたところ「リミテッドモデルとして商品化するのも面白いかも」との回答を得られたので、十分に期待できそうです!
馬場大貴選手はJNCC第7戦エコーバレーで着用。怪我明けの復帰戦でありながら総合5位に入賞しました。
オフロードバイク業界の発展を目指し
DFGに与えられた使命
DFGはこれまでゴーグル、ブーツ、そして今回のウエアとリリースしてきました。そしてその全てが日本オフロード業界においてほぼ最安値の商品となっています。
しかしそのどれもが、オフロードバイクのプロフェッショナルであるダートフリークが監修しているからこそ、抑えるべきところはきちんと抑えて開発されているのです。
そしてDFGでは現在も新カテゴリーのライディングギアを開発中。もちろんそれもエントリーユーザーを応援し、オフロードバイクの間口を広げるため、低価格かつ高性能を目指しています。自社の利益だけでなく、オフロードバイク業界全体の未来を考えた製品開発を行うDFGの動向に、今後も目が離せません。