バイク メンテナンス

2年乗ったYZ125の外装を、思い切ってリフレッシュ&イメチェンしてみた

オフロードバイクなら、外装リフレッシュは半日仕事。さくっとイメチェンできちゃいます

イメージは92年式YZM250でいこう

RIDEHACK編集部の公式マシンとして活躍してきてくれた2022年式YZ125。17年ぶりのフルモデルチェンジということで、最新のマシンを新車で買いました。この「最新型」というのがとても大事ですよね、常に新鮮な気持ちでいられて走るモチベーションも爆上がり。ただ、楽しんでいるうちにあっという間に2年が経過してしまいました。まだモデルチェンジはされていないので最新型ではあるのですが、モトクロスだけでなくハードエンデューロ的なところで投げられたり、ひどいマディに投入されたりしてきたYZ125は、だんだんクタクタになってきました。特に青いプラスチックは、折れ曲がった部分が白くなりがち。当たり前といえば当たり前ですが、2年たったら新車感はゼロです。

青い外装は、白い折れあとがわかりやすいんですよね…

そこで思い立ったのは、外装をすべてリフレッシュしてみようという計画。せっかく全外装を変更するならオリジナルの外装を仕立ててみたい、というわけです。ここ数年YZ125はタンクの色が黒なので、青い外装を他の色で統一することもできちゃいますね。

UFO PLASTの外装キットを調べてみると、現在日本で手に入るのは黒、白、青の3種類。全身ブラックはFASTHOUSEのウエアの雰囲気とかにマッチしそうです。青でヤマハ純正らしさをアピールするのもいい。あとは白……。白ってそういえば昔のYZで使われてた色じゃないですか。

(三栄書房『RACERS』 Vol.53 '91-'92 YZM250)

これです。田淵武さんが表紙のRACERS53号、91−92年式のYZM250。この年のYZM250はアルミフレームをひっさげてセンセーショナルに登場、デーモン・ブラッドショーも乗ったモトクロス史における重要なマシンでした。DT200WRなどにも影響を与えたホワイトベース、ピンク・スカイブルーの配色。90sや00sルックが流行っている今こそ、ホワイト外装をベースにしてYZM250をモチーフにした最新YZ125を作りたい!

UFOの外装は、フロントナンバープレート、フロントフェンダー、フォークスライダー、シュラウド、サイドパネル、リヤフェンダーの6品目であわせて¥32,010(税込)。早速編集部に届けてもらいました。

デカールのデータ制作はadobeのイラストレーターを使って作ります。YZM250はシンプルに“YZM”と文字が入っているだけなので、今風にアレンジ。ピンク→スカイブルーのグラデーションを、2023年式YZシリーズのグラフィックを参考にレイアウトしています。

苦労したのはグラデの色です。ちょっと印刷の話で難しくなるので簡単に説明しますが、PCのモニタはRGB形式、印刷はCMYK形式なのでそのままの色を印刷することができないのです。特にグラデーションはRGBのデータをCMYKに変換するとまったく違ったものになってしまうんですね。調べてもきれいなグラデの作り方がでてこないので、手探りでデータをいじること数時間(仕事せえよ)、画像としてグラデを作り込んだものを貼り付けることで解決させました。わりと苦労してるんですよ(汗)。

そしてシートは、名門ノグチシートへ委託。HRCのCRF450RALLYシートや、日本のカワサキファクトリーのシートを担当しているなど、一流中の一流。せっかくなので、能塚智寛と同じリブをつけてピンクにしてほしいとオーダー。なお、ノグチシートさんでは長時間疲れないシートや、足つきを求めたシートなど様々なオーダーに応えてくれます。

 

早速、組み立てます!

UFO外装にプリントアウトしたデカール。デカールのプリントアウトは、応じてくれるデカール屋とそうでないところがあります。もちろん、デカール屋さんにデザインからオーダーするのもあり、というかそれが正規ルートですね。こだわりがあって、イラストレーターを使える人はぜひやってみてください!

8mmのT字レンチでざーっと外装を外したところ。床にボルトが転がっていますが、一応組み戻しやすいように、場所別にわけておいてあります。決して適当に放り投げているわけではありません(汗)。

デカールを貼っていきます。詳しい方法は今回は触れません!

新品の外装なので脱脂はしません。しかしわりとホコリやゴミを静電気で寄せ付けてしまうので、エアダスターでキレイにします。分厚いバイク用デカールですが、ゴミをデカールの糊面に残してしまうと意外に表に出てしまうんですよねぇ。

位置を正確にあわせたら、端っこをドライヤーで温めながら貼ります。コツは、2つ。1つは温めることでデカールが伸びるだけでなく、縮むことを理解すること。しわが寄りはじめたら、温めてぎゅーっと指でしわを縮めます。実はデカールの張り込みは、伸ばすことより、縮めることのほうが圧倒的に多いです。2つめは、温め過ぎないこと。すぐに伸びてしまう素材なので、びろびろになってしまいます。写真はヒートガンを使っていますが、慣れないうちはドライヤーを使う方が温度変化が急激でなくて吉。

びしっと貼れました。

ノグチシートもあがってきました! 見てくださいこの発色。ノグチさん曰く「ちょっとスケベだよねぇ」とのこと……。いやそんなことないでしょ、93YZM250っぽいでしょう!

外したモノをもう一度組み付けるだけで、完了!

 

バイクの盆栽を楽しもう

というわけで埼玉県オフロードビレッジへ持ち込んで、早速美しい写真を撮りに行きました。どうでしょうか。めっちゃかっこよくないですか?

 

バイクを盆栽として楽しむ方のために、とっておきの「置き撮り」のノウハウを伝授させていただきたいと思います。まずは、広い場所を探します。後ろの背景も遠く、前もしっかり距離があるところを選びます。レンズは200mmくらいほしいのですが、スマホでも問題ありません。スマホでズームできる場合は、最大望遠モードにします。スタンドはレーサースタンドを使います。バイクはマシンによって前後バランスやフレームの下側の形が違うので、前下がりや後ろ下がりになってしまいます。フレームの下に石をかませることで、できるだけ地面と平行にしましょう。

 

あとは、だいたいチャンバーの高さくらいから撮影しましょう。ストロボを斜め45度前方から炊けば(無茶言うな)ばっちりです!

ウマイ人に乗ってもらうことも大事です。かのカーマニア北野武さんは、自分のランボルギーニをよく人に運転させて、その姿を別の車から眺めるのだとか。というわけで、無茶を言って辻健二郎さんに乗ってもらいました。

自分のライディングカットも、外装が傷む前に撮っておきましょう! それでは外装リフレッシュを楽しんで!

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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