バイク ライディングギア

膝を守るために選ぶ、ニーブレースとニーシンガード

オフロードバイクを楽しむために必要な防具はピンからキリまであります。その中でも膝を守る防具にはニーブレースとニーシンガードがあり、その特徴の違いから「ニーブレースは絶対につけるべき」「ニーシンガードで十分」など、さまざまな意見が見られます。ニーブレースがなぜ良いのか。ニーシンガードじゃダメなのでしょうか? 以下の2つの製品を元に見ていきます。

POD

K4 2.0 AC リミテッド ニーブレース

¥89,100(税込)/左右セット

DFG

アクシス ニーシンガード

アダルトサイズ:¥4,180(税込)、ユース/レディースサイズ:¥3,960(税込)

欠かせないプロテクション性能の高さ

そもそも、なぜニーブレースに「絶対につけるべき」といった絶大な支持があるのかというと、ニーブレイスに比べプロテクション性能が段違いに高いという事実があります。

ニーブレースは病院のリハビリ等で使用される医療器具としても使われているもの。名前の通り”膝を支える支柱”の役割を果たします。大腿から下腿部分まで固定することで、膝や関節を怪我するリスクを軽減。また、膝の動きを固定することで、変な方向に捻ったり、普段曲がる方向とは逆方向に曲がってしまうという危険性も防ぎます。

色や柄が入ったフレーム部分は強度の高いグラスファイバー素材で作られており、転倒時の衝撃から脚を保護してくれます。ちなみに、ライドハック編集部には、転倒時にこのフレーム部分を割った編集部員がおり、当時を思い返しては「ニーブレースじゃなかったら大腿骨折ってた……」と話しています。膝を守る防具の中ではプロテクション性能がかなり高く、怪我のリスクを最小に抑えることができます。

一方、ニーシンガードは膝からすねの前面を保護する仕様。ニーブレースと比べると薄く、プロテクション性能は劣ります。膝の怪我というと関節や靭帯を傷める例が多く、1回の怪我で競技がしばらくできなくなってしまうリスクが高いものです。競技を続けるためにも、膝を守ることはとても大切。転倒時の衝撃が特に大きいオフロードバイクに乗るのであれば、プロテクション性能の高さは必須と言えるでしょう。

ライディングに響く着け心地

プロテクターは固さがあるため、装着することで動きにくさが出てしまいます。特に、ニーブレースは重くて動きにくいと感じることが多く、軽いつけ心地を好んでニーシンガードを選んでいる方もいるでしょう。

実際に見てみると、ニーシンガードは薄くて軽く、比較的動きにくさを感じないのが魅力的。膝部分を覆うニーカップと脛部分を守るプロテクターの2つが分かれており、膝にフィットして動いてくれるようになっています。また、装着部分の素材が柔らかいため、脚に馴染むフィット感が高いです。

ストラップは全てベルクロ仕様。ニーシンガードというとストラップが2つのみのものが多く見られますが、同製品は膝上にもストラップがついているため、膝を曲げてもニーカップが浮いたり、ずれたりすることがありません。実際に曲げてみると、ずれることなくぴったり膝を覆っています。膝部分はライディングで激しく動かす部分のため、少しずれただけでも不快に感じることが多いですが、これなら気にせずライディングに集中できそうです。

 実際にウエアを着用してバイクに跨ってみるとスリムにまとまっている印象。

一方、ニーブレースは見た目がゴツいため、動きにくそう……と想像しがちですが、膝の関節部分にヒンジがついていることで膝の曲げ伸ばしをスムーズに行えます。

さらに、膝部分を覆うインパクトガードは二層に分かれているため、膝を曲げた時に突っ張ることもありません。実際に90度曲げてみてもズレることなくフィットしてくれているのは嬉しいポイントです。

なお、同製品は一番上と下のストラップにクイックロック機能を採用しています。わざわざストラップを穴に通さなくても固定できる簡単さは魅力的。ライディングの動きによってベルクロが取れて、ニーブレースが下がってくるという心配もありません。

ウエアを着用すると、ニーブレースはパンツが張っているのがわかります。オフロードパンツを購入する時は、ニーブレースの装着を想定してサイズを選ぶ必要があります。

結局、どっちが良いの?

どちらを選ぶべきかというと、膝を守るために大切なプロテクション性能が高いニーブレース一択でしょう。オフロード用品店にいくとわかるように、ニーシンガードは入門モデルという立ち位置。特に、スピードが速いモトクロスやクロスカントリーを楽しむ方や、元々膝関節に不安のある方はニーブレースがおすすめです。

とはいえ、ニーブレースは両足で5万円以上はかかるため、値段が高く手が出しにくい面もあります。その点、ニーシンガードは安価で手に取りやすいアイテム。初心者やとことこ林道ツーリングを楽しむ方など、オフロードバイクの最初の一歩としておすすめです。

ニーシンガードは林道にも使える

オフロードバイク競技だけでなく、林道走行を楽しむ方も怪我から身を守るための防具は必須。ニーシンガードは薄手のため林道にも使えるのでは? と思い、林道用のショートブーツとも合わせてみました。膝下まであるモトクロスブーツは、履くことでニーブレースやニーシンガードを固定する効果があるのですが林道用ショートブーツはどうでしょうか。

ちょうどニーシンガードの最下部の下にブーツがくるサイズ感。ずれ落ちることなく、着用できることがわかりました。ぜひ林道ライダーにもおすすめしたい!

オフロードを楽しめるのも自分の身体があってこそ。防具の意味を理解し、怪我なく楽しんでいきましょう。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

-バイク, ライディングギア