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「痒いところに手が届く」嬉しいサービス、職人の手作業が光るDF-CRAFT

ダートフリークが立ち上げた新ブランド「DF-CRAFT」をご存知でしょうか? 実はこれ、様々なバイクパーツを加工してくれたり、廃盤になってしまったパーツを製作してくれたりといった、かゆいところに手が届くサービスなんです。オフロードバイクに限らず、バイクにはカスタムが付き物。さらに壊れてしまったパーツの修理や補修なども必要になってきます。しかしもう新品パーツの売っていない旧モデルだったり、頼れるバイク屋さんが近くになかったりと、悩んでいるライダーの力になりたい、という気持ちからこのブランドが立ち上がりました。

ここではそんなDF-CRAFTの内側をちょっとだけ紹介していきましょう。

オフロードバイクを熟知する職人が手作業で行う
細部まで行き届いた気遣い

DF-CRAFTには「ウェットブラスト」「パウダーコーティング」「ガンコート」「カシマコート」「ホイール組み立て」「シート張替」「スポーク曲げ」の7つのメニューがあります。

まずはハブのパウダーコーティング。

汚れたハブを綺麗にするところから作業は始まります。清掃にはサンドブラストで処理するので、まずはそのためのマスキングを行います。アクスルシャフトを通す穴に蓋をしたり、ネジ穴にはネジを刺してサンドが入らないようにします。

そしてこちらがサンドブラスト。圧縮した空気に研磨剤を混ぜてパーツに吹き付けることで表面を磨き、綺麗にしてくれます。

そうして磨かれたハブを超音波で洗浄します。この工程でハブに付着した研磨剤を除去しているんです。この作業は一度ではなく、必要に応じて何度も繰り返し行います。

乾燥・脱脂のため空焼きをします。

焼き終わったハブをもう一度、今度は耐熱テープを使って手作業で細かくマスキングしていきます。サンドブラスト時、塗装時と2回に分けてそれぞれに適したマスキング作業を施しています。

マスキングが完成したら、いよいよパウダーコーティング。閉鎖された空間で粉状の塗料を吹き付け、静電気を利用して付着させます。そのため、ムラが少なく均一に塗装することができるのです。この塗料は高強度・耐候性・耐食性に優れており、過酷な環境で走行するオフロードバイクには最適な塗装と言えるでしょう。

塗料のカラーも全24色から選ぶことができるため、どんなメーカーのマシンにも合う色が見つかるはず。さらに耐候性をアップさせるクリヤーコートの有無なども選ぶことができますよ。

そうして塗料を吹きつけたハブをもう一度焼きます。こうして完成したハブがこちら。

このパウダーコーティングはハブの他にもキャストホイール、リム、スポーク、リヤショックスプリング、リンク、正立フロントフォークのアウター、フレーム、トリプルクランプ、ペダル、フットペグ、キャリパーサポートなどに加工することができます。パーツを取り外して送ることができない人には別途取り外しサービスもありますよ。

そしてラジエターやシリンダーヘッド、キャリパーサポート、サイレンサーなどには耐薬品性と高放熱効果を兼ね備えたガンコート塗装サービスも行っています。ウェットブラスト単体での利用も可能。特にシリンダーやキャブレターなどにオススメです!

そんなハブに今度はベアリングを圧入していきます。

ベアリングに塗るグリスは揮発性のあるワコーズのラスペネを使用。

ベアリングはプレス機を使用して垂直に圧入します。

ここで終わらないのが、DF-CRAFT

さらにDF-CRAFTではスポークを指定した形に曲げて作ってくれます。

ハブの形に合わせて曲げる位置、角度を調整し

グニっと。

一本一本こうして手作業で曲げてくれています。

曲げたスポークにはネジ部にカジり防止用にスレッドコンパウンドを吹き付けます。スポークに使われているステンがカジりやすい素材のため、対策をします。

ハブとスポークが完成したら、いよいよホイールを組み上げていきます。

スポークを一本一本差し込んでハブとリムを接続していきます。

ニップルは仮止め。

本格的に締め込んでいく前に、ハブのオフセットを確認。ディスクの取り付け面からリムまでを規定値の23mmに調整します。

Z-WHEELにて販売しているジャイロスタンド2を使って、ダイヤルゲージでリムの振れ幅を計測。横の振れを合わせて、縦を合わせて、もう一度横を合わせて。

何度も調整を繰り返し、振れ幅を小さくしていきます。

メーカー純正では縦横共に2mm以内という基準値ですが、DF-CRAFTでは0.5mm以内に収まるように高い精度で調整しています。

振れの調整が終わったらトルクレンチでニップルを締め込んで完成!

このように、DF-CRAFTでは作業工程一つ一つにとても細かい気遣いやこだわりが詰め込まれているんです。その中には作業に携わるスタッフ全員がライダーで、バイクパーツの役割や動きを知り尽くしているからこそできる工夫がたくさん。カスタムや修理はもちろん、自分だけのオリジナルパーツの製作をお求めの方はぜひ連絡してみてください!

https://www.dirtfreak.co.jp/moto/service/

photo:井上演

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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