バイク メンテナンス

DIYメンテ de オフロードバイクが巧くなる! vol.2「操作系統をシャキッとさせることで、的確なライディングを身につける」

操作系が満足に操作できないような状態になっていると、うまいこと上達できないなんてこともよくありますよ。この連載では、引き続きモータークリニック ストラーダの渡辺健さんに、DIY メンテの基礎を教えてもらいましょう。

渡辺健さん/藤波貴久・小川友幸選手をはじめ、トライアルのトップライダーとの交流も深く、自身もトレールをつかったオフロードバイク遊びを提案したり、ライテク講座を開催してきた、オフロードの伝道師。現在は、バイク修理専門の「モータークリニック ストラーダ」を運営中

フットペグ系統は正しい位置に曲げられるようになっている

クランケのセローの左側は、見るも無惨な感じになっていました。そもそもフットペグが格納されてしまっていて、もう普通に乗るのも難しい状態。それと、気づきづらいのですが、シフトペダルも内側に入ってしまっています。

手でも、足でももう戻らない感じで、フットペグがステーにひっかかってしまっている状態ですね。

フットペグは、大きな荷重に耐えられるものなので、遠慮無くプラスチックハンマーで叩いてしまいましょう。フットペグが戻らない症状は、ほとんど力尽くで解決しますよ。曲がってしまっていたら、ハンマーで叩いて形状を修正してもOKです。

右側のブレーキペダルも同じですが、シフトペダルは柔らかめのスチールでできてるので、メガネレンチでてこの原理を使い、曲げ直します。もし、林道などで曲げてしまっても、なにかてこの原理が使える工具があれば、問題無く元にもどるものです。ただし、これはセローなどのトレールバイクに限ります。

 

特に、XRなどの古いオフロードバイクに慣れ親しんできた人には、このスチールのペダルが馴染み深いと思います。渡辺さんも、柔らかいペダルのほうが好み。アルミの固いペダルは、たしかに曲がらないんですが、特に昔のバイクの場合、シフトのシャフトも長くエンジンを壊してしまうようなシーンがおおかったのです。ですが、今はバイク自体の設計もだいぶ変わってきました。レーサーは標準でアルミですが、ペダルのせいでエンジンを壊すケースは、あまりなくなりました。特に、鍛造アルミのペダルは、柔軟性もあるのでこうやってメガネで形を戻しやすいのも特徴です。

レバーで乗れる人かどうかわかっちゃう

さて、次はクラッチレバーに移りましょう。握って重いのは、メンテナンスが必要ですが、縦方向も大事なんですよ! 新品のレバーとホルダーだと、かっちりしているものですが、金属どうしなのですり減ってしまい、ガタがでてしまうのです。上下のガタがあると、力が逃げてしまってクラッチを正確に操作できません。渡辺さんが言うには「ここがいい加減な人は、乗れてないことが多い」とのこと。

ガタがある場合は、すり減っているものなので交換しましょう。このあたりは、グリスアップなども含めてまた別記事で紹介します!!

実は、そこまで神経質にならなくていい項目

最近の公道を走るバイクは、昔とは事情が違ってきています。たとえば、プラグ。昔はプラグがきつね色にやけていなくては駄目、なんて言われていましたが、排ガス規制が進んだ昨今では白が普通の色。混合気が薄めなので、きつね色には焼けないんですよね。

さらに言うと、昨今プラグ自体とエンジンが進化したおかげで、プラグはほとんど交換しないものになってきています。少なくとも、セロー250のユーザーマニュアルには、プラグ点検のことは書かれていないのです。

エアクリーナもみてみましょう。まずはシートを外します。フェンダー裏の2本の8mmボルトを外すだけです。

後ろにシートを引っ張れば、シートを取り外せます。

エアクリーナはここ。2本の+ボルトでカバーを取り外し…

引き抜けばエアクリーナが出てきます。汚れている方が、表。やってはいけないのは、エアでこの手の乾式エアクリーナを吹いてしまうことです。ホコリを蛇腹の奥までつめてしまうコトになるのです。乾式のエアクリーナは、逆さにしてホコリをポンポンと落とすくらいしかできません。レーサーは、湿式なので洗うことができるのですが、セローの場合は交換が必須。このくらいの汚れなら、交換せずとも不調を招くことはないでしょう。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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