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ダイスのバイクリビルド大作戦! DF-CRAFTでフレームを真っ白に塗ろう

日本のフリースタイルモトクロスの草分け的存在、鈴木“ダイス”大助さんが愛車のフレームをDF-CRAFTで全塗装すると聞き、興味津々で密着してみました!!

クリエイター“ダイス”

ダイスこと鈴木大助は、日本のフリースタイルモトクロス界におけるトップライダー。まだ世界でもバックフリップを成功させているFMXライダーが数人しかいない2004年に、故佐藤英吾と自分たちが積み上げたノウハウをもってバックフリップを成功させたことは、もはや伝説となっています。全日本FMX選手権では4回のチャンピオン、レッドブルXファイターズに4年連続で参戦するなど輝かしい成績を誇るだけでなく、やはり日本にFMXを根付かせてきたことが彼をトップレジェンドたらしめている理由でしょう。ライディング面だけでなく、ランプ(ジャンプ台)、ランディング(着地台)の開発もダイスの手によるモノが多いのです。

ダイスは忙しい!

現在は岐阜県多治見市に居を構え、FMXライダーとして興業をしつつもイベンター、鉄工スペシャリスト、などなどモノやコトを生み出すクリエイターとして活躍。遊びを生み出す発想力に特に長けていて、大人気レースイベント「ミニバイぱにっく」のいち首謀者としても有名ですね! そんなダイスが自分の愛車をリビルドするというので、密着取材してみました!! これまでもダイスはフレームをパウダーコートしていましたが、今回は新たなマシンに施工するとのこと。

自宅兼工房のダイスベースにお邪魔してみると、すでにダイスはリビルド中のYZ250を分解していました。慣れた手つきでどんどんマシンをバラしていきます。レーサーなので余計な部品はなく、どんどんバラバラになっていくYZ。

エンジンも……

このとおり! 整備の行き届いているモトクロッサーは本当に簡単にバラしていけるので、リビルドが捗りますね!!

 

DFクラフトで、真っ白にパウダーコート

そうしてバラしたフレームを持ってやってきたのは、ダートフリークの各種施工を担当する“DFクラフト”のファクトリー。「やらせてもらえるなら僕も塗ってみたいですね」という要望にお応えして、DFクラフト船戸よりバトンタッチ。まずはパウダーコートのための下地を作っていくために、特大のサンドブラストブースでブラストをかけていきます。ブラストというのは、砂やガラスなどの「メディア」と呼ばれる粉末を空気圧で吹き付けることで、表面を均一に削ることができる作業です。「ブラストね、俺も欲しいんですよ。これ自分でできるようになると、すごくいろんなことができるようになるじゃないですか。特にこのデカイやついいなぁ」とダイス。

ダイス作業開始です!

DFクラフトの所有するブースでは、大抵のオートバイのフレームを入れてブラストをかけられるのが自慢です。ここまで巨大なものはなかなかありません!

小窓からブースを眺めながら、ブラストをかけるダイス。ブースの中にブラストガンがあって、それを操作しながらスイングアームをキレイにしていっています。中は何も見えないけど、ちゃんとやってます。

「ちょっと甘いですかね、この辺。細かいところがブラストしづらいんですよ」と船戸よりアドバイス。通常は、職人の船戸がきっちりキレイにブラストして下地を仕上げるのでご安心を!!

こちらも巨大な「窯」。家庭用のオーブンとほぼ同じで、250度まで熱をかけることができます。ただ、家庭用オーブンとくらべて数十倍大きく、こちらもバイクのフレームなら大抵入ります。まずは、こちらで余熱をかけておきます。実は余熱をかける工程は行わなくても塗装できるのですが、DFクラフトでは一手間かけてより美しい仕上がりを目指しています。

余熱されたフレームに、白いパウダーを振りかけていきます。このパウダーを窯の熱で溶かしてフレームに付着させ、焼き付けるのがパウダーコートです。つまり、パウダーは熱で溶けるものなので、予熱されているとパウダーが乗りやすいのです。まずは船戸のお手本。

「これも欲しいんですよねぇ」とダイス。なんでも自分でやりたい……ようです。

親方登場です!

静電気で帯電させた粉状塗料をアースされた素材に吹き付けることにより、粉状塗料を静電気の力で素材の表面に付着させる仕組みです。

塗りすぎた場所は、エアで飛ばしていって修正!

塗り損ねていないか、丁寧に見ていく船戸。この作業がとても大事です。フレームの裏側や、下側は見逃しやすいポイント。

均一にパウダーが付着していたら、釜へイン。180度で2時間ほど焼き付けます。できあがりが楽しみですね!!!

組み込み作業が意外に難しい…

DFクラフトでパウダーコート施工したのは、フレーム、サブフレーム。そして今まではフレームしか施工していなかったのですが、今回は意を決してスイングアームも真っ白に。「スイングアームを塗ってしまうと、ステッカーを貼る場所が少なくなって、スポンサーのPRができなくなってしまうじゃないですか。だから避けていたんですが、今回は考え直して塗ることにしました。仕上がりが楽しみですよね!」とダイス。

じゃん。この時点でカッコイイ! 白フレーム決まりますよね!!

ラジエターはゴールド。黄緑をテーマカラーとしているダイスですが、ラジエターやキャブまわりのタイゴンホースも黄緑に。「先日みつけちゃったんですよ。こんなのはじめて見たので、買い占めました!」と。キャブ時代は特に、このタイゴンホースがファクトリーっぽさを演出していました。わかるかしら…。

 

ばきっと仕上がり! ダイスの新本番車ができました!!

というわけで完成ですっ!

さて全貌を見ていきましょう~

ダイスのYZ250は、できるだけスポンサーのPRができるようにシュラウドからサイドゼッケンがつながって大きな表面積になっています。ダイスによれば「僕のこだわりポイントは、たとえばフロントフェンダーやリアフェンダーをカットしているところです。昔は、トリックで脚が引っかからないようにFMXライダーはみんなカットしていたのですが、最近ではトリックの流行も変わっていて、カットする人が少なくなってしまいました。なので、今では僕のスタイルとしてカットしています。

「それとちら見えする白いサブフレーム、いいでしょう? FMXではシートグラブというトリックがあって、手でシートを掴みやすいように加工しています。純正でもYZは掴みやすい形をしているのですが、さらに加工でミスしないようになっているんですよね。空中でバイク掴めなかったらバイクだけ先に行ってしまい、もうライダーは空を泳ぐことしかできないので」とさらっと恐ろしいことを言うところ、さすがです。チラリズムしているホワイトサブフレーム、オシャレ。意味なくゼッケンに穴開けたくなってきた!

ゼッケンプレートを外してフレームを見せるスタイルのダイス号。ホワイトのネックが目立ちます!

これが初めて白に塗ったというスイングアーム。結局ステッカーチューンされていますが、それでもホワイトの主張が強くて素敵。

ダイスの実弟GONTAも絶賛していたのが、ゴールドでキメたラジエター。こちらはガンコートという塗料を使っており、色が違うだけでなく、フィンの強度があがって曲がりづらくなったり、放熱性が向上します。全日本モトクロスでも、もはや定番のチューニングになっています。

ダイスのニューマシンを名古屋モーターサイクルショーに見に行こう!!

そんなダイスマシンの初陣は、名古屋モーターサイクルショー4月6〜7日(土〜日)。「FMX SHOWCASE in 名古屋モーターサイクルショー」としてエキサイティングなFMXを披露してくれるハズっ! お楽しみに〜

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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