サイクル・自転車

MTBワールドへの入り口は、スキルパークにあります!

発売になったばかりのEバイクe-EDIT275ですが、せっかくなのでMTBらしい遊び方を楽しみたい! しかし、一体どこに行けばいいんでしょうか。そんなあなたにオススメしたいのが、スキルパーク遊びです

安全にMTBを楽しむためにも、スキルパークへ行こう

オフロードバイクの遊び方が、モトクロスやエンデューロ、林道、トレイルライドなど多岐にわたるように、MTBにもたくさんの遊び方があります。e-EDIT275は下り系の遊び方もできるジオメトリーになっているので、せっかくならダウンヒルMTBとして遊んでいきたいものです。と、その前に……。慣れない方は、まずはスキルパークへ遊びに行くことをオススメします。スキルパークというのは、MTBの練習をするためにいろんなセクションを用意してあるパークのこと。今回は東京都稲城市にあるスキルパーク「スマイルバイクパーク」にe-EDIT275を持ち込んでみました。都内唯一のスキルパークであるスマイルバイクパークの講師サモさんによると「日本の里山を走るにはいろんな危険がありますが、ここスマイルバイクパークで遊んでいるとそういった危険への対処方法を覚えることができます。いきなり山に行くのではなく、こういう場所でスキルを積んでいくといいと思いますよ」とのこと。

スマイルバイクパークのスラローム

スマイルパークにあるのは、①広場、②スラローム、③ミニパンプトラック、④ミニクロスカントリーコース。今回は紹介しませんが上級者向けの⑤ジャンプセクション、⑥本格パンプトラックも完備しています。当日は編集部のイザワが、講師のサモさんに教えてもらいながら、Eバイクの遊び方を学んでみました!

講師:サモさん(右)

跳んだり跳ねたりするストリートMTBの伝道師。ツバグラという玄人好みのジャンプ向けフレーム&パーツブランドのオーナーでもある。時折スマイルバイクパークの講師として活動しているとのこと。

スマイルバイクパーク
〒206-0822 東京都稲城市坂浜734番地
http://smilebike.tokyo/

基本フォームと、ブレーキングを学ぶ

生徒のイザワはモトクロス経験者ですが、MTBに乗るのは初めて。ということでしっかり基礎から教えて貰うことにしました。まずは①の広場で基本のフォーム。スタンディングでクランクは地面と水平にします。どちらかのペダルが下がっていると、最低地上高が低くなって障害物に当たってしまうからです。また、サスペンション車でもリジッドでも身体でショックを吸収するのが基本なので、膝は曲げておきます。このあたりは、だいぶオフロードバイクとも似ていますね!

次に学ぶのはブレーキング。バイクと違ってMTBの場合、スピードが出るのは下りのみ。また、 スロットルは無いため、加速はしません。つまり、スキルを磨くべきはブレーキングなのです。ブレーキングが安全にできれば、一通りのコースを走ることができます。MTBは車体が軽くブレーキは相当強く効くため、パニックブレーキしてしまうと簡単に前転してしまいます。なので、指は1本がけでOK。サモさんのおすすめは「人差し指を常にかけておくのがいいのですが、だんだん疲れてくるので、そういうときは中指などに変えるのも手です」とのこと。ブレーキング時は、腰を大きく引いてリアに荷重をかけます。

なお、Eバイクはバッテリーが装備されているため、電動ではないマウンテンバイクと比べると重さがあります。しかし、e-EDIT275はマスの集中化を行い、センターモーターによって重心を低くしているため、その重さがネックになることはなく、走り出すと安定感を感じます。

まずは平地で練習して、ある程度慣れたらゆっくり坂を下りる練習をしていきます。ブレーキをじわっとかけて、滑ったり前転しないように気をつけます。

サモさんの指導のもと、上達してくるとこのくらいの急坂もなんなく降りられるようになりますよ!

上りのフォームは、サドルの前側に座って上体を思い切り前にかぶせていきます。Eバイクは上りが楽なのですが、実はケガしやすいのも上り。やりがちなのは、上りきっていないのに気を抜いて上体を反らしてしまうこと。通常のMTBと違い、Eバイクは少しでもペダリングできているとパワーが出てしまうので、バイクだけすっぽ抜けてバク転してしまうのです。上りきるまで気を抜かずに上体をしっかり前に入れましょう。

のぼりで気を抜くとこんなことに!

慣れたらトレイルの醍醐味「スラローム」にトライ!

初心者向けスラローム。このようにイン側を走ると路面が荒れているので危ないし、気持ちよくないです!

日本各地に点在するトレイルと呼ばれるMTBフィールドの醍醐味は、スラロームです。バーム(オフロードバイクではバンクと呼ばれていますね!)をつないでリズムよく走るのが最高に気持ちいいのです! スマイルバイクパークのスラロームは初心者向けのものもあるのでまずはこちらから試してみます。

コツはラインどり。バームが怖いからといってスラロームのイン側を走ると路面が荒れているのでかえって危険なのです。バームのアウトをスムーズに走れるようにまずはこころがけてみましょう。ムリしてマシンを傾けなくてもいいのですが、身体をイン側に入れたほうが遠心力とのバランスが取れてよりスムーズに回ることができます。コツは、コーナーの入り口でバームの高いところへ入って次のバームの高いところへ繋げること。

上達すると、バームにMTBを当てる瞬間に加重、抜ける瞬間に抜重することで、ペダリングをせずともバームを使って加速することができるようになります。MTBでは加重することをプッシュと呼びます。プッシュがうまく使えるようになると、MTBの楽しさは一段と増すのです。

漕がずに加速する!? パンプトラック

上級者向けパンプトラック

バームは加重・抜重をすることで加速できることを説明しました。ということは、バームで繋がったオーバルのコースは、原理上漕がずに周回できるということです。パンプトラックは、バームとローラー(凸凹)で構成されている周回コース。バームでもローラーでもプッシュして加速することができます。スマイルバイクパークには本格的なパンプトラックもありますが、今回は初心者向けのミニパンプトラックにトライ。

ローラーは頂点で抜重して、下り斜面でプッシュ。タイミングとリズムが勝負です! 漕がずに加速しますが、漕ぐより体幹を使うので疲れます(笑)。

サモさんは、うまく全セクションでプッシュしてしっかり周回してみせてくれました!

ミニクロスカントリーコースで仕上げ

さて、最後はミニクロスカントリーコースへ。短いコースですが、安全に山の中の走りを楽しめるように設計されています。時折、全日本選手権に出るようなチームもこういったミニコースを周回してトレーニングするのだとか。距離は短いものの、学ぶべきポイントが詰まっているので、ぜひトレイルを走る前にここで練習してみましょう。

写真のセクションはドロップオフ。段差下りのことで、ドロップオフでかっこよくジャンプできるとMTB上級者に見えますね。サモさんによれば「流派によって異なるのですが、僕のやり方はフロントを上げてジャンプする昔ながらの下り方ではなく、フロントを下げてジャンプします。そうすることで次のコーナーなどにリズムよく入っていくことができるのです」とのこと。どちらも飛び降りる瞬間に抜重すればジャンプできます。腰を引いて抜重すればフロントが上がり、引かなければ下がります。さすがモトクロス経験者のイザワはすんなりクリア。

二段になっている上りは、一般のMTBではギアチョイスとペダリングの速度がかなり難しいところですが、Eバイクならお手の物。高めのギヤで積極的に踏んでクリアしましょう。

Eバイクなら無限に遊べるのが魅力です

Eバイクなら何度でも上れます!

スキルパークは、元々通常のMTBのためのものでEバイク向けというわけではありません。しかし、基本的に下りのセクションで遊ぶことが多いため、下ったら上らなければならず、一般のMTBだとあっという間に体力を消耗してしまうのです。サモさんが以前このスマイルバイクパークのスラロームで、どれだけ繰り替えしてトライできるかチャレンジしたところ35分で限界を迎えたとのことでした。Eバイクなら、もちろん上りはアシストで楽々クリアできますし、e-EDIT275のモードを最強の「BOOST」に入れれば、息が切れてしまうようなことはありませんでした。Eバイクをスポーツに使っている人が口々に言うのが、このメリットなんです。何度も下りだけを繰り返すことができるので、通常のMTBよりも何倍も練習をこなすことができ、結果的にスキルがあっという間に上達するのです。楽しみながら楽に上達するなんて、最高じゃないですか?

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

-サイクル・自転車