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疲れない新ZETA RACINGエッジグリップ

オフロードバイク向けのスタンダードとしてZETA RACINGからダートグリップが発売されたばかりですが、今度は2レイヤーの「エッジグリップ」が登場です。早速、オフロードコースに持ち出してみましたZETA RACING
エッジグリップ
¥2,640(税込)

タイプ:クローズドエンド / オープンエンド
カラー:レッド/ブラック、ブルー/ブラック、グレー/ブラック、ホワイト/ブラック
サイズ:ハンドル径22.2mm用、全長約120mm
素材:TPE(熱可塑性エラストマー)

太いグリップと、細いグリップ

オフロードバイクにとってグリップはとても大事なパーツです。時には暴れるハンドルを抑え込まなくてはならないし、不安定な路面で的確なスロットル操作をする必要もあります。プロライダーたちは各々の感覚で好みのグリップを持っていて、ほとんどのライダーは「グリップが傷んでいたら乗れない」と言います。それほど大事なものなので、彼らにとってはレース毎に交換する消耗部品とも言えるでしょう。

ゴムの質感や摩擦力などいろんな尺度でグリップを分類することができますが、まずはもっとも基本的な「太さ」の選び方から知っておきたいところです。特にスプリント出身のライダーは細いグリップを好む傾向にあります。フロントタイヤからサスペンション、ステム、ハンドルを通じてグリップに伝わってくる微細な路面状況を正確に把握したいということでしょう。また、彼らのように長年オートバイに乗り込んでいるライダーは掌の皮が厚くなっていることもあって、ちょっとした振動の多さが手の痛みに繋がることも少ない模様。トライアルライダーなどは、なるべく細くしたいことからグリップのゴムをわざと伸ばして装着する人もいるのだとか。

逆に長い距離を走るライダーは太めのグリップを好む傾向にあります。グリップが太いということはゴムが厚いわけで、エンジンやギャップの衝撃を吸収してくれるだけでなく、てこの原理でより少ない力だスロットルを回すことができるため、疲れづらく豆ができにくい利点がありますしかし、太いグリップは握るために握力が必要なので、腕上がりの遠因になったりとデメリットもあります。

太くてもしっかり握れるビッグダイヤモンド

ZETA RACINGのダートグリップはスタンダードな太さで外径29mm、今回発売になったエッジグリップは若干太めで外径30mmとなっています。エッジグリップに刻まれたダイヤモンドカットが通常の倍ほども大きめに設計されていることもあって、掌との相性は抜群。実際マシンに装着して走行してみると、太いのにグリップをしっかり握れて握力をそこまで必要としないのがわかります。たとえば、うまくフォームをとれず、きちんとグリップが握れていない状態でセクションから加速する時などに、このメリットを感じました。まるで、細いグリップを握っているかのような軽い力でホールドできるため安心感があります。もちろんダートグリップに比べれば握った時に少し太く感じるので、乗り始めは「腕があがってしまうかもしれないな」と思わせられましたが、タイムアタックを繰り替えすというしっかりしたトレーニングで使ってみても、腕あがりすることなく、握力を消耗しなかった印象です。

ワッフルの代わりに、商品名の由来にもなっている“エッジ”がしっかりグローブ越しに伝わってくるのも好印象でした。先述したダートグリップ同様に、オフロードバイクのグリップを握る時の基本姿勢「ドアノブ握り」がしやすいようにエッジが立てられているのも好印象ですし、エッジがはっきりしているので人差し指・中指あたりがちゃんとフリクションしていることがわかります。ドアノブ握り用になっていないグリップよりも、意識がしっかりドアノブ握りに向くので自然と綺麗なフォームになりそうです。

それと人差し指が握る部分はダイヤモンドカットがはいっておらず細め。この2段形状のおかげでグリップが手からすっぽ抜けづらいフィーリングでした。

グリップエンドの強さも度重なる転倒によって試す(?)ことができました。当日はマディ路面だったため、グリップに泥がついてしまったのですが、山の高いエッジとダイヤモンドが功を奏して滑りづらいという利点もありました!

ZETA RACINGならではの高い機能性

レースユースを前提としたZETA RACINGならではの高い機能性も注目しておきましょう。

まずは、グリップの根本、つばに当たる部分です。一般的にエッジグリップのようなデュアルレイヤーのグリップは、ベースレイヤーのゴム質が硬く人差し指内側が擦れがちですが、エッジグリップのつばはグリップドーナッツのような緩衝材をいれなくとも走れるほどに、柔らかくできています。さらには、このつばの内側のリブを切断することで約3.5mm短くし、ミニモトなどに利用することも可能です。

また、つばの大きさはクラッチレバーの邪魔にならないほどよい大きさ。

グリップの上部分には刻印があり、装着時にもわかりやすい設計です。

グリップエンドはちょうど掌があたる部分をフラットにすることで、違和感を排除。

ワイヤリング用のグルーピングは5箇所。好みによって使い分けられますね。

今回はレーサーに装着してその使い勝手を試してみましたが、この手の太めグリップにありがちな柔らかいコンパウンドではないため、耐久性も高いハズ。トレールバイクのドレスアップや、ツーリング向けに疲れない操作系を目指す方にもオススメです。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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