● 熱間鍛造・切削加工・転造加工
ZETA チタン製品は余計な装飾加工をしないシンプルな設計が特徴。それは、チタン本来の目的を重視したもので不要な加工は一切ない。ただチタン部材を切削するだけでなく、熱間鍛造製法を施すことで素材強度を上回る引張強度を誇る。頭部は精密切削加工によって最適な品質を確保し、高強度素材のためワンサイズ小さく設計することでさらなる軽量化にもつながる。転造加工されたネジ部は、塑性変形により硬化されるため、切削ネジに比べ1.5倍の強度となる。(カジリ防止剤の使用を推奨)
● 64チタンを採用
国内では通称で「64チタン」と呼ばれるが、アメリカ ASTM規格では「ASTM B348 Gr5」 (グレード5)と呼ぶ。Ti-6AL-4Vの表記は化学成分を明記したもので、質量分率でアルミニウム(AL)6%、バナジウム(V)4%が含まれていることを意味する。医療用金属としてインプラント、人工骨などとして広く認知、利用されている。また、その強度から航空機、宇宙産業、原子力産業、産業用タービン、自動車・オートバイマフラー、ゴルフクラブヘッドなどに使われる。64チタン合金はチタン合金全体の70%を占める、最もよく利用されている合金。
軽量 | 比重は約4.5。鉄7.8、アルミニウム2.8の中間にあたる。(鉄の55~60%の重量) |
高強度 | 引張強度が900N/mm2以上あり、SCM435(クロムモリブデン鋼)の930N/mm2に匹敵。 |
錆びない | 表面に不動態被膜を形成するため半永久的に劣化しない。 |
人や環境に優しい | 金属アレルギーの心配がない為、インプラントや人工骨としても利用される。 また、リサイクルも可能。 |
美しい | 耐食性に優れるため装飾品としても利用される。 |
加工が困難 | 切削・プレス成形・溶接に高い技術が必要とされる。 |
高価格 | レアメタルなうえに、精錬に手間がかかり、加工も難しい。 |
焼き付き・カジリ | 摩擦に弱く、焼き付きやカジリが発生しやすい。 |
● チタンの種類とその他金属との強度比較
純チタン:他のチタン合金に比べて安価。耐食性に優れるが強度が低いのが特徴。
α合金:耐クリープ性(長時間の応力に対する変形率)に優れる。溶接作業にも優れるが加工性は悪い。
β合金:チタン合金の中で、最も高い強度がある。加工性にも優れるが生産コストが非常に高い。
α-β合金:強度、延性、じん性が高く、加工性にも優れる。ZETA チタン製品はα-β合金のTi-6AL-4Vを使用。
名称 | 合金名 | 引張強度 |
純チタン | JIS 1種 | 275~412N/mm2 |
純チタン | JIS 2種 | 343~510N/mm2 |
純チタン | JIS 3種 | 481~618N/mm2 |
α合金 | Ti-5AL-2.5Sn | 850N/mm2 |
α-β合金 | Ti-6AL-4V | 900N/mm2 |
β合金 | Ti-15Mo-5Zr-3A1 | 1470N/mm2 |
その他の金属 | 合金名 | 引張強度 |
ジュラルミン | 2017-T4 | 425N/mm2 |
超ジュラルミン | 2024-T361 | 495N/mm2 |
超々ジュラルミン | 7075-T6 | 481~618N/mm2 |
一般構造鋼(鉄) | SS400 | 400N/mm2 |
炭素鋼 | S45C | 570N/mm2 |
クロムモリブデン鋼 | SCM435 | 930N/mm2 |